年末が近づいた頃に郡名古屋市立大学学長から一冊の本が送られてきました。大学に所属していた頃から懇意にしていただいておりましたが、大学を離れてからは医会の会合などでお目にかかることがたまにある程度でしかありませんでした。中部経済新聞に掲載していた文章をまとめた新書本を出されたとのことでわざわざお送りいただきました。本に謹呈の文書を自筆でおかきいただいてあり、本のご説明の文章も添えられていてあったので、私に読んでみてくれとおっしゃっているのだなと思い、空いた時間を見つけて読み始めました。結構と言っては失礼ですが、興味深い文章でなるほど私がお会いすることになる前にはこういう経験をして見えていたのかと一気に読み進めました。郡学長は生まれ月は同じ1月で、丁度2歳年上ですが、お会いしているときの印象と違ってものすごくactiveに活動されていたのだなあと感心しました。私も大学に所属していたときに腹腔鏡による手術をまだ腹腔鏡で手術などできるのかと思われていた時代に始めましたが、郡先生も内視鏡に注目されていたとは知りませんでした。現在は新しい様々な機材を整えて最先端の腹腔鏡手術も可能になっているようです。なるほど泌尿器科の教授から病院長、医学部長、学長と上っていかれ、2つの名古屋市の公立病院を名市大に統合して公立大学としては最も大きい大学病院を作り、更に他の学部もどんどん拡大していく、名古屋市立中央看護学校を大学に吸収するというような活発な活動をされている理由が、さまざまな経験に基づいているのだなあと、なるほど最近の大学の急速な変革が理解できたような気がします。阪大の学生時代にスズメバチに刺されてアナフィラキシーを起こした際のお話は非常に興味深く、勝部先生という偶然宿泊施設に泊まり合わせた医師が、血圧低下が起きているが薬がなかったために手足を水で冷やすように指示され、おかげで窮地を脱したという話が紹介されていて、これこそ医者の本来の姿であろうと感心しました。とかく、薬や機材に頼りがちな現在の医療状況に対して耳が痛くなる話だなあと思いました。なかなか興味深い本だと思いますが郡学長をご存じない方には私ほど面白いとは思われないかもしれませんが、興味を覚えた方はご一読されてはいかがでしょうか。
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