当院の不妊治療について

いくたウィメンズクリニックは不妊症治療のクリニック。不妊症治療、人工授精、体外受精、顕微授精を行います。
当クリニックで行っているのは、妊娠できる力を引き出すために、患者様のお手伝いをすることです。

不妊症治療の流れ

検査→不妊症の原因を把握→治療スタート

まず、不妊症の原因を探ります

 基本的に最初お見えになったときに、避妊をなさらなくなってからいままの期間、ご主人の状況、女性の年齢、今までの検査治療の有無などをお聞きして、必要に応じた検査のご説明を致します。このため、初診時の診察時間が30分から場合によっては45分近くになることがあります。従って初診の予約がそれくらいの予約枠が空いていないと挙児希望の方の初診を入れられないため、初診の診察が取りにくいと言うことが出てきます。どうしても丁寧にご説明をさせていただかないと気が済まない性格ですのでご理解ください。再診は初診のように時間はかからないのでご希望のところに入れることは出来ます。
 初診の時に細かい特殊な血液の検査を一気に行う施設もあるようですが、大部分の方には必要ではないものが多く保険の適応で無い検査が多々ありますので、基本的な検査を行っていくうちで特殊な検査が必要と思われる場合に追加して参ります。従って初診時にお金を多くお持ちになる必要はありません。ほぼ保険診療の費用内です。
 ある一定の期間が過ぎて妊娠に至っていない場合行う必要最小限の検査は、「卵管の状態はどうか」「精子の状態はどうか」「排卵があるかないか」「精子が子宮の入り口にたどり着けているか」 「排卵後に卵巣からホルモンが十分に分泌されて子宮内膜が反応しているか」などですね。ご主人の精液の検査は十分な精子が子宮入り口の粘液の中に十分にいる場合には省略することも多くあります。

不妊症の原因は主に4つ

1
卵管性不妊症

精子と卵子が受精するのは卵管です。その卵管に問題があって妊娠しない場合です。

2
乏精子症

精子の数が少ない、精子の数はあっても運動能力が低い、などの場合です。

3
免疫性不妊症

頻度は少ないですが、女性の体内に通常ではつくられない抗体ができてしまうことで、精子を拒絶してしまう場合です。

4
原因不明不妊症

いくつか検査をしても明らかな異常が見つからないのに妊娠しない場合です。
「原因がない」というより、「現在行われている検査方法では原因を特定できない」といったほうが分かりやすいでしょう。
この場合、不妊の原因を想定しながら治療を進めます。

不妊症治療は焦らず、あきらめず

短期間の治療で妊娠に至る人は意外と少ないもの。不妊治療には腰を据えて取り組むことが大事です。
思うようにならなくてイライラする気持ちも分かりますが、女性の身体はデリケート。そのイライラが体調に反映されてしまいます。
一刻も早く妊娠をという気持ちはわかりますが、思い詰めればそれが返って妊娠をしづらくします。休みの日はのんびりされる方がいいですよ。

不妊症治療は夫婦二人の共同作業

妊娠、出産の主役は女性です。でも、妊娠するためには、二人が力を合わせることが大切です。お互いをいたわりながら進みましょう。

当クリニックで行っている不妊症治療

治療内容

通水治療 現在はあまり積極的には行っておりませんが、一般不妊治療で過排卵刺激に人工授精を行ってもなかなか妊娠してこない場合に行っております。卵管内の環境を改善するための治療です。
過排卵刺激 投薬により複数の卵胞(卵子の入った殻)を発育させ、排卵させる方法です。卵管が卵子をうまく拾っていないかもしれないと考えられるときに行う方法です。
経口剤や注射を使用します。通常経口剤を5日間服用してそれにhMG注射を1-2回追加して複数の卵胞を発育させます。多胎が心配ですが、複数の卵子が排卵されても殆ど双胎にもなりません。
人工授精 採取した精液の中の元気よく動いている精子を拾い上げて、子宮腔の中に直接入れてあげる方法です。遠心分離により比重の重たい精子を集めて行う方法と、遠心力を加えず、ミグリスというものに精液を入れて運動して境を乗り越えてくる元気な活動性のあるものを集める方法の2種類が有りどちらも行っております。精液所見がさほど悪くない場合にはミグリスを使用して精子にストレスをかけずに集めます。どうしてもこの方法では十分な精子を集められない場合には従来からの遠心分離を使用した精子の回収を行います。
体外受精 確実に受精を起こさせるために卵子をいったん、体外に取り出し、精子と受精させた後に良好な胚を子宮腔内に戻す方法です。後で治療の詳細は別に解説します。
顕微授精 通常の体外受精で、卵子と精子を一緒にしただけでは受精が起こらない場合に行います。体外受精と顕微授精というように全く異なる治療方法のように使われていますが、体外受精とちがって、受精させるところを人工的に行うことだけが違うだけで、全体の治療の流れは患者さんにとっては全く一緒です。
人工的に元気な1匹の精子を卵子の中に注入し、受精させると言うことを行います。皆手技に慣れているために普通の主義で精子を注入することも可能ですが、ピエゾの注入装置を使うと妊娠率が上がるとか言う発表があったので、少し前に購入しましたが、受精率や妊娠率は変わりません。あまり顕微授精の手技に習熟していない胚培養士にとっては受精率が上がりますから、妊娠率が上がるのかなと考えております。せっかく購入したので現在主にピエゾを使用しております。

排卵を整える卵巣刺激法

排卵障害の治療法も原因により異なります。卵子が卵巣から出てくるという排卵が無ければ妊娠はしませんので重要といえます。当クリニックは、それぞれの原因によって卵巣刺激を考えます。月経周期が整っていない周期のばらつきが大きい場合にはセキソビットという作用の軽いもので整えます。この薬の利点は子宮からの頸管粘液という精子を通す粘液の量を増やす作用があります。全く排卵が起こっていない場合にはクロミッドという典型的な排卵誘発剤を使用します。これのみでは不十分な場合にはhMGと言う注射剤を間欠的に使用して排卵を誘発します。原因不明不妊の方や多嚢胞性卵巣の方ではレトロゾールという薬を使用して排卵を起こします。大体多嚢胞性卵巣の典型的な方の場合には2-3周期はこれで排卵が起こりますが,その後は全く反応しなくなります。こうなってしまうとhMG注射やペン型の注射剤を併用します。多嚢胞性卵巣の場合にはメトホルミンなどの経口剤も使用します。大体当院では多嚢胞性卵巣の方の8-9割はこの治療尾方法で妊娠されています。
卵巣を刺激する方法には、投薬、注射、その併用など様々な方法がありますので、受診された際に改めて詳細にご説明いたします。どの方法が患者様に合っているのか、相談しながら決めていきましょう。

漢方薬の処方もいたします

患者様のご希望があれば、漢方薬の処方もしております。ただ、不妊症治療において、ダイレクトに確実に効く漢方薬というのは残念ながらありません。体調を整える、冷え症の方の身体を温める、といった補助的な役割であることはお伝えしております。

お伝えしたいこと

不妊症治療は納得の上で、が鉄則

その方の不妊症の原因により、どの方法がいいのかは異なります。検査結果、年齢、不妊期間なども考慮して治療方法とご提案します。しかしご夫婦ごとにお考えも違います。こちらではご夫婦の状況から選択されえる様々な治療方法を、妊娠に対する治療効率を含めてお話ししますが、最終的な選択はご夫婦の選択に依ります。治療の選択に当たっては、なんと言ってもご夫婦の将来の人生設計にかかわることですのでご夫婦の選択を尊重致します。只あまりに無謀かなあと思われる選択にはこちらからの考えをお伝えして相談になることもあります。

人が違えば原因も違います

従って、個人個人で原因も異なり、治療もそれぞれ異なります。
ある方がこの治療方法で行って結果が出たからといって、その治療法がどの方にも適合するわけではありません。治療方法も治療期間もそれぞれです。お友達がこの方法で妊娠したからといって同じ治療方法が当てはまるかどうかはわかりませんよ。

不妊治療を「他の人と比べない」、あっちこっちインターネットを覗き廻らないこと

不妊症治療中の患者様にとっては、同じ悩みを持っていた仲間が妊娠することは、うれしい反面複雑なものがあると思います。 でも、体質や体調、その人の環境など、不妊症治療の成果にはさまざまな要因が絡み合っています。結果だけを見て人のことを気にせず、ご自身の治療に前向きに取り組みましょう。他の人のことを気にするストレスが妊娠しづらくしてしまいます。同様にいろいろ気にしてインターネットのサイトを覗き回るのは感心しません。特に患者さん達がわいわい書き込んでいるサイトは申し訳ありませんが、極めて個人的な見地からの経験話でそういう話んお見聞きを続けているとストレスのみが蓄積して、治療を行っても妊娠しづらい状況(悪循環)に陥ってしまいます。何年も治療を行って妊娠しなかったのでお子さん持つのを諦めたら、すぐ妊娠したという様な話はこういうご自分自身にストレスの塊を貯め込んでいた方で、お子さんをもつのを諦めたという事で溜まりに溜まっていたストレスが一気に取り除かれ、皮肉にも本来のご自身の持っている妊娠機能が発揮されて妊娠されるという事ですから。治療中もなるべく気分転換を図る様になさってください

不妊症治療に適齢期ってある?

20代から30代前半は、治療の結果が出やすいということはあります。それを不妊症治療の適齢期、妊娠の適齢期と呼ぶならそうかもしれません。たしかに35歳を超えると治療の成功率が低下していきます。38歳を超えると急速に悪くなっていきます。これは排卵されて出てくる卵子の異常の頻度が高くなるためです。このため受精が起こっても着床までに変性してしまったり、着床し妊娠反応が陽性となっても流産に終わってしまう様な乱視が出てくる頻度が高くなるためです。
クリニックによっては、40歳を超えた方の一般不妊症治療は行わない、というところもあるようですが、当クリニックでは患者様が望めば何歳の方でも治療いたします。すべての卵子が異常になっているというわけではありせんから。

二人目不妊?

一人目がすんなりできたから、まさか自分が不妊症だとは思っていなかったが、二人目がなかなかできない…そんな悩みを持つ方もいらっしゃいます。
二人目不妊という言葉も特別な言葉ではなくなりました。当クリニックにも、一人目のお子さんを連れて通院してみえる患者様がいらっしゃいます。診療は白衣を着て行ってはおりません。だいたいお子さんは予防注射などで散々痛い目を見ているので、白衣を見ると恐怖感で泣き出したりするためです。ごく普通の服装で診察を行っておりますが、このような理由からですのでご了承ください。
思い悩む前に、一度なぜ二人目がなかなかできないのか、調べてみることをおすすめします。



     2021年の成績

妊娠率1妊娠率2

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