私たちが大学で働いていたときから子宮内膜日付診と言う検査があって、Noyesの排卵後からの内膜の組織的な変化の特徴を図にした有名な表があって、浮腫だとか、核下空胞だとか、偽重層だとか、分泌像だとか様々な因子の出現程度から,採取した内膜が排卵後何日目くらいに相当するかということを評価する検査がありました。これば40年くらい前では当たり前の検査であったのです。私も先輩から教えられたように着床が起こる排卵後6日目あたりの内膜を採取して病理検査に出しておりました。ところが病理の先生が適当な結果しか回答してくれないので何故ですかと聞きに行ったら、こんな検査で正確に排卵後6日目だとか8日目だとか言える思うのかと私より10~20歳年上の病理の先生に怒られてしまいました。私はまだ30歳前くらいでしたから、組織を毎日検査している病理医師がそんなことを言われるとは思っても見なかったので、それから毎日採取された検体のプレパラートをすべて見直してみました。1半年以上見直してみて得られた結果は、なるほど病理の選背の言われたことは正しいと言うことでした。ほんと数ミリの検体の中でももの凄く組織の程度が異なるのです。この部分と隣の部分では2日くらい平気で異なっているのです。それでその当時からは検査はし無いと先輩の先生に怒られますし、学会の発表などでのデータとして必要でしたから、行っておりましたが、あまり信用はしておりませんでした。実際に大学を離れてからは全く行わなくなりました。せめて超音波検査での乾湿の浮腫の程度など画像に明らかに現れるものを見る程度にしております。しかし、おかしなことに、昔この内膜検査を行った周期や次の周期に妊娠をされる人がそこそこ見えました。その周期に妊娠された場合などは内膜検査で組織を取ったりしていますが,流産しませんかとかよく患者さんから聞かれました。確かに自分自身それは心配ではありましたので文献を調べてみましたところ,論文が見つかりました。内膜採取の周期に妊娠された方達の流産率は高くは無いという論文でした。ほっと胸をなで下ろして、患者さんに論文では流産率は上がらないというものがありますので心配ないですよとお話しできたのを覚えております。実はこういうことが体外受精胚移植での反復不整高齢の内膜擦過を行うと妊娠される方が出てくると言う先進医療Aに繋がっているのです。
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