今年はあっという間に梅雨が明けて夏らしい、カッと照りつけるような日差しになりました。先週丸一日雨が降った翌日梅雨明けの宣言が出ましたが、当日の朝に公園のところで蝉が鳴いているのを耳にしました。不思議なものですねえ、梅雨明け宣言を知っていたかのように一気に蝉が鳴き出すのです。こういうときに自然の不思議、生命の不思議を感ぜずにはいられません。何年も何年も土の中でひそみ、梅雨明けと同時に地上に現れ、脱皮をして樹木に登り、声も嗄れよとばかりにここぞと鳴き続け、そして数日で命を終えるのです。陽炎も命の儚さの例えとして引き合いに出されますが、身近な蝉の方がその象徴としては感じさせられます。中には地中にいる間にいつの間にか地表がコンクリートやアスファルトで固められてしまっていて地表で出られずじまいに終わる無念の幼虫もいるのではないかなどと考えると本当に切なくなります。昔子供の頃に照りつける太陽の中を汗で髪の毛を濡らし、腕や顔を真っ黒にしながら蝉取りなどをしたことを懐かしく思い出すとともに、蝉の短い活動時間を切り取ってしまった事への一抹の後悔を感じます。
福島の原発の避難地区の今年の夏は、SF映画のように人気が全くなくなり、人の生活の音もなく静寂が支配するゴーストタウンに、蝉だけがひとしきり夏の訪れを告げながら鳴き集くことでしょう。そんな状況で、蝉は人がいなくなったことを喜んで鳴くののでしょうか、それとも悲しんで鳴くのでしょうか。いずれにしても、人のいない村に蝉だけが鳴き集くそんな不気味ともいえる光景を想像すると、人間の将来はどうなっていくのだろうかと案ぜずにはいられません。。
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