コラム

2023.07.21更新

親子

「赤ちゃんが欲しい」

そう考えて妊娠のための準備を始めるのなら、具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか。

本記事では、妊娠しやすくなるために今すぐ始めたいことについて解説します。

妊娠がうまくいくためには、女性の努力だけでなく、パートナーとの協力が必要不可欠です。

ぜひこの記事をご覧いただき、カップルで取り組んでいただきたいと思います。

 

Preconception careとは

夫婦

 

「Preconcertion care」というのは妊娠しやすくなるための妊娠前の準備とでも言うべき物です。

妊娠力を高めるために、必要な知識を身につけたり、妊娠しやすい身体づくりをしたりします。

他にも、なかなか自然妊娠に至らない場合に、計画的に行動するという意味でも多く使われる言葉です。

 

妊活を始めるタイミングは?

 

「このような準備はいつから始めたら良いか」と疑問に思う方も多いでしょう。

妊活を始めるタイミングは、人によって考え方がさまざまです。

妊娠や出産は年齢を重ねるにつれてどんどん難しくなり、35歳を過ぎると自然妊娠の確率は大きく下がります。 

ご夫婦の望まれる子どもの人数によってもはじめる年齢は変わってくるでしょう。

今現在は妊娠の予定がない場合でも、将来的に自分が子どもを持ちたいか、何人くらい欲しいかなど、妊娠や出産について前もって考えておくことが大切です。

 

実際にどのように進めたら良いか

 

妊活はどのように進めたら良いか

 

現在、もしくは将来妊娠を望む場合、妊娠できる確率を高く維持しておくことは大切です。

それでは具体的にどのように進めていけば良いのでしょうか。

妊活の基本的な流れを紹介しますので、皆さんのできることから始めていきましょう。

 

パートナーと話し合う

 

お二人の将来の人生設計に係わる大きな要素ですから、まずパートナーとの将来についての話し合いが重要です

妊活は一人で頑張るものではなくパートナーと二人で協力して行う必要があります。

妊娠や出産、育児はパートナーとの食い違いが起きやすいものです。

時間や心に余裕があるうちに、子どもについて話し合い、気持ちや考えを共有しましょう。

その際は、以下の点について確認するのがおすすめです。

 

  • いつ頃子どもが欲しいか
  • 何人の子どもが欲しいか
  • 出産後は仕事や育児をどうしていくか
  • 不妊治療の場合は何歳まで続けるか

 

意見が合わない可能性もあるので、ぜひあらかじめ相談しておいてください。

 

妊娠についての知識を深める

 

正しい知識がないまま妊活を始めても、かえって遠回りになってしまう可能性もあります。

「避妊をしなければ妊娠できる」「人工授精や体外受精をすれば必ず子どもを授かる」このように誤解している方は、妊娠するためのメカニズムをきちんと理解しましょう。

特に、妊娠・出産には適齢期があるというのを知識として身につけることが大切です。

 

基礎体温をチェックし、排卵日を予測する

夫婦

病院に通わないのなら、基礎体温のチェックを行いましょう。

基礎体温は、生命を維持するのに必要最小限のエネルギーしか消費していない安静状態の体温のことを言います。

基礎体温を毎日正しく測定、記録していれば、排卵日のおおまかな予測が可能です。

排卵日2-3日前から隔日くらいでくらいで性交渉をすると妊娠する確率も高まるとされています

基礎体温を確認することで、おおまかにいつ頃排卵が起こりやすいかという妊娠しやすい時期がわかりパートナーとタイミングを合わせられるのです。

また、身体の不調にも気付くこともあります。

妊娠しやすい身体づくりのためにも、忘れずに毎朝基礎体温を測るようにしましょう。

 

風疹の抗体検査・予防接種をする

まずは、風疹の抗体検査をし、もし抗体がなければ予防接種が勧められています。

しかし実際には予防接種をしてもあまり高い抗体価はつきません。良く言って8倍くらいの抗体価が獲得できるくらいです。

中には全く抗体が出来ない方もかなりみえます。予防接種をしたからと言って安心してしまうのは禁物です。接種後に抗体価がどれくらいになっているか確認が必要です。

一応安心な抗体値は32倍以上とされています。

予防接種をしたとしても、とても安心な領域の抗体価までは届かないことが大部分です。だいたい子供の頃にかかっていれば32倍とか16倍になっていることがおおいですね。

その後大人になるまでに風疹のウィルスと接触の機会があったりすると64倍、128倍とか上昇します。

 

風疹の免疫を持っていない女性が妊娠初期に感染すると、一定の割合で胎児が感染してしまい胎児の先天異常が発生する危険性がでてきます。

もう少し遅く3ヶ月以降妊娠5ヶ月くらいまでならば先天異常は発生しないものの難聴が残ることがあります。

このように万が一胎児が風疹に感染すると、重度の障害を持って生まれる可能性もあるため、妊娠前からの感染予防が大切です。

風疹はパートナーの男性が感染すると日常生活を共にしている女性にもうつってしまいます。

リスクを減らすためには、男性も風疹の抗体検査を受けて免疫があるかないかを知っておく必要があります。免疫がない場合はワクチンを接種しましょう。

ワクチンは妊娠中、妊娠する可能性のある場合には打つことを避ける様に厚生労働省の指導ではなっております。

つまり、ワクチン接種後は2カ月間、避妊しなければならなくなります。しかし、気づかずに妊娠してしまった場合、中絶をする必要はないとされています。

風疹のワクチンは弱毒生ワクチンと言ってものすごく弱らせてあるけれど死んではいないウィルスを注射するものなのです。かなり弱らせてあるので風疹に感染することはないのですが、一応死んではいないウィルスなので避ける様な指導になっているのです。

妊娠を考える方は早めに抗体検査を受けましょう。

 

妊娠の確率を高める身体づくりをする

体温

将来の妊娠に備えて妊娠しやすい身体を維持することが大切です。

それではどのような点を意識して進めていけば良いのでしょうか。

妊娠の確率を低くしてしまわない日常の注意点について紹介します。

 

お酒や喫煙を控える

 

妊娠を望まれるのならお酒や喫煙は控えましょう。

日常のアルコールの摂取も、適量であれば問題ありません。

しかし過剰な飲酒は多少影響が出る可能性があります。 

普段お酒を飲んでいる人は、いきなり禁酒してしまうとストレスがかかるかもしれません。

そこで休肝日をつくったり、適量におさえておいたりするのが良いでしょう。

 

煙草にも注意が必要です。 

妊娠してから禁煙をスタートさせる人が少なくありません。

しかしタバコは有害物質を含んでいるため、妊娠を望んだときから禁煙するのが理想です。

たばこを吸われていると妊娠率は半分近くまで低下してしまう可能性があります。これについては医学論文があります。

わかりやすい体外受精を行った成績で低下が確認されています。また低いとはいえ妊娠する可能性はあり妊娠中に喫煙を続けると流産、早産、胎盤の早期剥離、低出生体重児、などいろいろな妊娠中の異常が発生しやすくなり、正常に赤ちゃんが産まれてきても、1年以内に何の予兆もなく突然死亡してしまう乳幼児突然死症候群を起こしやすくなることも知られています。

妊娠中にたばこを吸う行為は赤ちゃんの首を絞めているのと同じだと思ってください。

当院でも喫煙習慣のある方の場合妊娠率は非喫煙者に比べて低くなっております。

自分がタバコを吸わないのはもちろん、副流煙にも気をつけてください。ご主人が隣でたばこを吹かしている場合、妊娠率が低下するというデータがあります。

最近はやりの電子たばこはどうかというとあまりデータはなかったものの、最近やはり低下してしまうというデータが出ております。

 

身体を温める

 

さまざまな不調の原因になると考えられているのが身体の冷えです。

そこで妊活を望まれるのなら体が冷えない様にしましょう。

身体が冷えて血流が悪くなると、子宮や卵巣の細い血管の血液の流れが悪くなり血液の細部への流れが低下し、妊娠の確率が下がる恐れがあります。

妊娠を望まれるのであれば、同時に「温活」をされるのも一つの方法かもしれません。

妊活を始めるのであれば、同時に「温活」も始めてみましょう。

有効かもしれないとおもわれる方法は以下の通りです。必ずしも医学的な証明のされているものとはいえませんが。

 

  • 冷たい飲み物より、白湯や常温の水を飲む
  • 身体を温める作用のある食べ物をとり入れる(発酵食品、根菜類、生姜など)
  • 38〜40℃程度の湯船にゆっくり浸かる
  • 冬場には身体を温めるアイテムを活用する(靴下、カイロ、腹巻きなど)

 

葉酸を摂取する

 

妊活中は葉酸を摂取するのもおすすめです。

葉酸はビタミンB群の一種で、この欠乏が、胎児の発育過程の脊椎の閉鎖するのを妨げるのではないかお考えられており、妊娠中に摂取すると良いとされています。

厚生労働省では、妊娠を計画している女性に対しても十分な量の葉酸を摂取することを呼びかけており、摂取量としては1日あたり400㎍を推奨しているのです。

葉酸は野菜などに多く含まれています。

 

  • 枝豆
  • ブロッコリー
  • ほうれん草
  • アスパラガス など

 

食事でまかないきれない場合はサプリメントを摂取しましょう。

 

バランスの良い食事をとる

 

妊娠を望まれるのであればバランスの良い食事をとるのも大切です。

栄養が偏った食事を続けて様々な栄養バランスの崩れを来すと、バランスの崩れによっては過剰な痩せや肥満を起こし排卵しにくくなったり、女性ホルモンのバランスを狂わせたりして、妊娠しづらい身体になってしまいます。

女性だけでなく、男性も乱れた食生活は肥満や痩せをおこし、精液所見の低下の原因になるので要注意です。 

妊娠を望んでいるカップルは、一緒に栄養バランスの整った食事をとるよう心がけましょう。

肥満は妊娠の確率を下げてしまいます。

食べ過ぎには注意しながら、1日3食必要な栄養素やカロリーをしっかり摂取してください。

 

十分な睡眠をとる

 

妊娠を望まれるのであれば十分な睡眠をとる必要もあります。

「睡眠ホルモン」とも呼ばれるのがメラトニンです。

メラトニンは、抗酸化作用によって卵子の質を高めると言われています。

しかし睡眠時間が少ないとメラトニンの分泌量が低下するため、不妊の原因にもなるのです。

メラトニンが卵子の質に対する好影響を及ぼすと言う外国の論文が有り、実際に山口大学の産婦人科が学会でメラトニンの卵子の質の向上にたいする発表をなんども行っておりました。

なかなか十分な睡眠時間をとれない方も多いかと思いますが、妊活をするうえでは意識して睡眠時間を確保しましょう。

 

適度な運動をする

 

妊活中の場合、血流を良くするために適度な運動をすることも大切です。

ですが、激しく身体を動かす運動や、身体に負荷をかけ過ぎる運動は、体内に活性酸素が大量に発生し、卵子や精子の老化を進め妊娠率が低くなってしまう可能性が考えられます。

実際に週に何度も過度の運動を行うと妊娠率が悪くなると言う論文が有ります、そして適度な運動は妊娠率に良い影響を及ぼすという論文もあります。

そこで妊活におすすめなのが「有酸素運動」です。

ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの軽い運動を取り入れましょう。

 

ストレスを溜めない

 

日常でのストレスを溜めないよう注意しましょう。 

ストレスを感じると、プロラクチンやコルチゾールといったホルモン分泌が増進されます。

すると排卵や女性ホルモンの分泌が抑制されてしまうのです。

望んでいるにもかかわらず、なかなか妊娠に至らなければ、こどもが欲しいという願望自体がストレスとなってしまい、悪循環になるでしょう。

パートナーと支え合いながら、心がリラックスできるものを見つけましょう。

よくお見かけするのが、妊娠を切望するあまり、ネットサーフィンというインターネットで毎日時間があればあれやこれやとネット検索をされてみえる方達です。

これは、ご自分にどんどんストレスをためていってしまっているだけで、何の利益も無いどころか、逆効果です。

ご自分の持っている妊娠できる力をドンドン低下させてしまって、どんどん妊娠しづらい状態をご自分の中に作り上げてしまっているのです。

 

早めに産婦人科を受診する

 

妊娠を望まれて機会をお持ちになっていて半年以上になっているのであれば、早めに産婦人科を受診するのも大切です。

もし何らかの決定的な問題点があるのであれば、いくら様子を見られてもにんしんにはならず、いたずらに時間を浪費していきます。

早い段階で自分の問題点が明らかになれば、それに対する対処をすることで、早く妊娠することにつながります。

妊娠に一番重要な要因は女性の年齢です。女性は年齢とともに卵子の質は落ちてきて、妊娠しづらくなっていきます。

自覚症状がなくても、不妊の原因があるかもしれません。妊娠しやすい身体なのか、治療が必要なのかチェックしておくのがおすすめです。

 

不妊症検査と不妊治療について

妊活をしていく中で行き着く先は、不妊治療です。

妊娠を希望する健康な男女が、1年間避妊をせず性交しても妊娠に至らないなら「不妊症」と診断されます。

 

不妊治療はいつから始める?

妊娠を望んでいて、いつから不妊治療を開始すれば良いか迷う人も多いでしょう。

不妊治療は必ずしも1年待たなければならないというわけではありません。

明らかに何かご自身で思いつく原因らしいものがありそうであるのならば直ちに相談に行かれるべきでしょう。

また年齢が少々高めの方の場合は特にこれという問題がなくとも妊娠しづらい状態になっているため、早めに検査や治療を行った方が良いでしょう。無駄に時間を費やさない様にされるべきです。

 

不妊治療の種類

 

不妊治療は段階的に進めるのが一般的です。

不妊検査の後は以下のような流れになります。

 

①タイミング法
②人工授精
③体外受精・顕微授精

 

不妊治療では、必要に応じて高度な治療にステップアップさせていきます。

それぞれの方法について詳しく説明していきますので、妊活を始めようと考えている方は、将来的に不妊治療が必要になる場合を見据えたうえで、しっかり理解しておきましょう。

 

①タイミング法

 

タイミング法というのは、最も妊娠しやすい日時を予測し、その周辺の時期に性交渉するタイミングを医師が指導し、妊娠を目指す方法です。

排卵日を予測するための手段として、以下を参考にします。

 

  • 基礎体温
  • 超音波検査
  • 尿中LH検査

 

卵子の寿命はおよそ1日、精子の寿命は3日程度です。

そこで排卵日の3日前ぐらいから性交渉をすると、妊娠の確率が高まるとされています。

規則的に排卵していなかったり、排卵しにくかったりする場合には、排卵誘発剤を使用する場合もあるでしょう。

 

②人工授精

 

人工授精は、女性側の排卵の時期に合わせて、洗浄濃縮したパートナーの精子を子宮内に注入する方法です。

タイミング法よりも少しステップアップした不妊治療となります。

直接子宮に精子を注入するため、卵子と出会う確率が上がり、妊娠につながりやすいでしょう。

「人工授精」という名前を聞くと人工的な方法と誤解されがちです。

しかし妊娠までの過程は自然妊娠に近く、身体への負担も少ないでしょう。

通常3~4回行い、それでも妊娠に至らない場合は、次のステップへと進みます。

 

③体外受精・顕微授精

 

タイミング法や人工授精を経ても妊娠に至らなかった場合、第3のステップとして体外受精や顕微授精という高度な治療に移るのが一般的です。

卵管にトラブルがあるなどの場合には体外で精子と卵子を受精させる「体外受精」が行われます。

精子の状態が悪い場合や、体外受精で卵子に受精現象が起こらない場合などには、顕微鏡を見ながら卵子に針で直接精子注入して受精させる「顕微授精」が行われるのが一般的です。

女性が高齢の場合は、タイミング法や人工授精を行わず、初めから顕微授精となる場合もあります。

 

妊活は早めに始めるのがおすすめ

 

本記事では妊活や不妊治療の種類などについて紹介しました。

「妊活」といっても、その目的や始めるタイミングは人それぞれなので、自分たちに合った方法でスタートさせましょう。

 

〇妊活の進め方

 

  • パートナーと話し合う
  • 妊娠についての知識を深める
  • 基礎体温をチェックし、排卵日を予測する
  • 風疹の抗体検査・予防接種をする
  • 妊娠の確率を高める身体づくりをする
  • 早めに産婦人科を受診する

 

妊活は自分たちの子どもを迎え入れるための大切な準備期間です。

現在妊娠を望んでいない場合でも、将来に備えて早めの準備を考えてみてください。

必要な検査や治療を行い、生活習慣の改善などを積極的に進めましょう。

投稿者: いくたウィメンズクリニック

2023.06.11更新

赤ちゃんを望んでいるのになかなか自然妊娠できなかった場合、不妊治療を検討するカップルが多いですが、気になるのは成功率だと思います。

40歳を超えてから不妊治療を始めようと考えている方は特に不安な気持ちが強いですよね。

この記事では、不妊治療の成功率と成功率を上げるためにできることをお話しします。

結論として、不妊治療に関係なく加齢とともに妊娠率は低下していき、40歳以降は不妊治療を受けても子どもを授かる可能性は急激に低くなってしまいます。

高齢で妊娠をしても様々なリスクがあるので、これから説明する内容をぜひご確認ください。

もちろん、40代で妊娠・出産することは可能なので、妊娠の成功率を上げるためのポイントをおさえて赤ちゃんができやすい身体を目指しましょう。

 

不妊とは

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そもそも不妊というのは、日本産科婦人科学会では「妊娠を望む健康な男女が避妊をせず性行為をしているにも関わらず、一定期間妊娠しないもの」というように定義しています。

そのことから妊活から1年を過ぎても授からなかった場合に、不妊治療を検討するカップルが多いのが現状です。

 

不妊の原因

 

「不妊の原因は女性側にある」と捉える人は多いのですが、WHOの調査ではの調査では原因として分類すると約半分は男性側にも問題が見つかります。
不妊の原因となるものを詳しく説明します。
不妊治療はどちらかだけではなくカップルで取り組む必要があることを知っておきましょう。

 

不妊の原因〜男女両方〜

 

不妊の原因として男性、女性ともに「加齢」による影響が考えられます。


卵子は年齢とともに卵子の染色体異常の発生率が高くなります。特に35歳を超えてくると異常の率が高くなっていき、38歳を超えると急激に異常率が上昇します。またこのような染色体の異常とも関連するのですが、卵子細胞の活力も低下します。精子も加齢とともに少しずつ機能が低下してきます。 このようなことから妊娠しづらくなってしまうのです。


他にも「精神的ストレス」によって、間接的にそれぞれの機能が低下する可能性もあります。

 

不妊の原因〜女性側〜

 

不妊になる女性側の原因で多いのはこちらです。

  • ・排卵因子(排卵をコントロールしている調節機構の異常)
  • ・卵管因子(卵管の一部に閉塞している部分があって、精子と卵子が出会わない。または卵管が癒着などで引きつってしまっていて自由に動けなくなっている)
  • ・子宮因子(子宮筋腫や子宮内膜ポリープなど子宮の問題)
  • ・頸管因子(粘液分泌の不具合による)

様々な検査を行っても不妊原因が分からないこともあり、「原因不明性不妊」と呼ばれます。

 

不妊の原因〜男性側〜

 

不妊になる男性側の原因で多いのはこちらです。

  • ・造精機能障害(精子をつくることができにくい)1998年の厚生労働省の調査で83%
  • ・精子通過障害(精子が卵子まで運ばれない)3.9%
  • ・性交・射精障害(勃起できない・膣内で射精できない)13.5% 現在では3倍くらい増加とも言われる

不妊の原因が分かると今後の治療計画がスムーズにいきます。

不妊原因を調べる検査は女性だけではなく男性側も受ける必要があります。

 

不妊治療とは

 

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不妊治療というのは、妊娠を希望しているにもかかわらずなかなかできない方が、不妊の原因に合わせて行う治療のことです。


これまでは、不妊の原因を明確にするための検査や症状の治療には保険が適用されていましたが、人工受精や体外受精などの治療は保険適用外となるため高額な治療費が請求されていました。


しかし、2022年4月から保険の適用対象が広がり、体外受精(保険診療の対象年齢がありますが)を初めとして不妊治療のほぼ全体保険診療の対象となり、先進医療費を除く保険診療分に対して医療機関で支払う自己負担分が原則3割負担となったため、これまで躊躇していた方達でも始めやすくなっています。また高額療養費制度も有り、1月の保険診療自己負担支払い金額の上限が所得収入に応じて決まっていますので、保険組合にお問い合わせいただくか厚生労働省のホームページでも確認できます。

 

40歳以上の不妊治療の成功率は低い

 

不妊治療をする人の数が増えていることや技術の進歩により、不妊治療での妊娠率は年々上昇傾向にあります。

しかし、自然妊娠と同様、不妊治療においても加齢とともに妊娠率は下がってしまいます。

具体的に言われているのが、35歳以降になると急激に妊娠率が下がるということです。

40代の方が不妊治療を行った場合の出産に至る確率は以下の通り。(厚生労働省 「不妊治療における年齢別の出産率と流産率」)

 

年齢出産率
40歳 7.7%
41歳 5.3%
42歳 3.7%
43歳 2.0%
44歳 1.3%
45歳 0.6

 

40歳以上でも妊娠する確率はゼロではありませんが、不妊治療をしたからといって誰でも必ず妊娠・出産に至るとは限らないということを現実として受け止めておきましょう。

 

不妊治療の方法

 

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不妊治療の方法は一つではありません。


一般的には検査結果により選択される治療方法で妊娠しなかった場合に、治療方法のステップアップを提案致します。しかし、それを選択されるか否かはご夫婦の意志に依ります。

不妊治療の主な方法とその特徴について説明します。

 

タイミング法

 

タイミング法は、医師が排卵日を推定し、妊娠しやすい日時に性交渉するタイミングを指導して妊娠を図る方法で、対象となるのは今までタイミングをとってみえた時期と排卵日にずれがあるのでは無いかと思われるカップル、まだ避妊をされなくなってあまり時間がたっていないカップルです。もう既に1年以上経過してみえる、または女性の年齢が少々高めの方にはあまりお勧めしておりません。


超音波検査や血中ホルモン値などを参考にして排卵日の予測を行うもので、不妊治療の中では最も医療行為による身体的負担が少なくなります。


妊孕性のあるカップルでもタイミング方法における妊娠率は1周期で30%未満と言われています。不妊症である場合や、35~40歳を越えて不妊治療を始める女性が妊娠する確率はそれよりも低くなります。

 

排卵誘発法

 

排卵誘発法は、排卵誘発剤と呼ばれる内服薬や注射を用いて卵子の発育を促す方法で、排卵遅延や排卵障害がある場合に適用されます。

 

過排卵刺激法

 

排卵誘発は、人工授精や体外受精を行う際に、発育する卵胞を増やし複数の卵子を排卵させる目的として行われます。卵子の捕獲がうまくいっていないと考えられたり、毎月胃個だけ排卵される卵子が良質の正常な染色体卵子とは限りませんので、受精着床し分娩に至る良好な卵子を採取することができれば治療の成功率が上がるためです。

 

人工授精

 

人工授精とは、排卵の時期に合わせて100%運動良好な精子のみを回収した培養液を、子宮の入り口から細い柔らかいチューブを挿入し、子宮腔内の奥1cm程の部分に注入して受精を促す治療法です。


十分な数の精子が受精場所である卵管の7-8cmのところまで届いていないと考えられる場合に行われます。通常精子数や精子の運動率が悪い場合には第一選択となりますし、これといった異常の無い原因不明不妊症の場合で、子宮の入り口までは精子数は入っているけれども、子宮腔内を泳いでいるうちに卵管への入り口を見つけて入り込む確率が低いかもと装丁される場合に行います。

 

体外受精

 

体外受精は、一般不妊治療で妊娠に至らず卵管での受精が起こっていないと考えられる場合、卵子に体外へ出てきても らって、確実に受精を起こさせて、良好な発育を遂げている胚を子宮腔内に戻して着床を期待する治療です。


タイミング法や人工授精に比べて確実に受精を起こし良好に発育した胚のみを移植するために、40歳以上の女性で、この治療まで行うことを考えてみえる場合には、人工受精や過排卵刺激などの段階を早めに切り上げて体外受精を始めるケースも多いです。


体外受精での妊娠率は35歳を過ぎると急激に減少する傾向にあり、他の不妊治療の中でも1治療周期での妊娠率が高くなる治療法ではありますが、他の治療と同じように年齢が上がるほど妊娠は難しくなると言えます。

 

体外受精〜顕微受精〜

 

顕微受精は、体外受精で行う受精方法の一種で、卵巣から取り出した卵子に直接精子を注入する治療法です。


顕微鏡で確認しながら細い針を用いて精子を1匹だけ卵子に注入し、受精の手助けをします。


男性の問題点による場合は精液所見が悪く、精子の数が極めて少なかったり、運動している精子の率がかなり低かったり、精液所見は検査で良好であっても、実際に体外受精で卵子が受精しなかったりした場合などです。
この治療に関しては保険適応には年齢制限があり、43歳未満の間は3回まで胚移植までを保険の対象となりますが、その年齢を超えると全額自費となってしまいます。

 

40代は様々なリスクがある

 

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年齢を重ねるにつれ妊娠しづらくなるだけでなく、高齢妊娠・出産には様々なリスクがあるので知っておく必要があります。


40歳以上の妊娠で起こりやすい問題について説明します。

 

40代は流産の確率が高くなる

 

流産というのは、妊娠22週未満に妊娠経過が順調に進まず、胎児の発育が停止したり、出血が多くなったりして妊娠が終了してしまう事を言います。妊婦の年齢が上がるほど自然流産する確率が高くなるとされています。

妊娠初期の流産は、胎児の染色体異常など、赤ちゃん側の原因であることが多いですが、妊婦の年齢が高くなるほど受精する卵子の染色体異常が起こりやすくなるためです。

 

40代はダウン症の確率も高くなる

 

高齢出産ではダウン症などの染色体異常が起こる確率も高くなります。


年齢を重ねるにつれて先に書いたように染色体異常の卵子が出てくる確率が高くなりますが、染色体異常でも2本一組の染色体が、一本数が少ない場合には殆ど受精卵が育たずに消えてしまいます。しかし一つ多いタイプは妊娠反応が陽性になるところまで進んで、妊娠の初期に停止して流産となってしまいます。例えば16番目の染色体が1本多い3本有るタイプが一番多いのですが、このタイプは100%流産になります。従ってこの16番の染色体異常の赤ちゃんが生まれてくる可能性はありません。しかし21番目の染色体が3本有るタイプは7割が流産になりますが、3割が妊娠を継続し続けてしまい、産まれてきてしまいます。この21番目の染色体が3本有るのがダウン症の赤ちゃんだという事になります。


厚生労働省の「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」(2013年)によると染色体異常が起こる確率は、妊婦が25歳で1/1250、35歳で1/385、40歳で1/106、45歳では1/30と、年齢とともに上がっていき、40歳以降は急激に上昇します。

 

不妊治療に向けて試しておきたいこと

 

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高齢になると一般的に不妊治療の成功率が低くなるのは確かですが、個人差は大きく、いろいろ試してみてもよいかもしれないことはあります。


流産の原因は大部分を胎児の問題(染色体異常)が占めます。これは残念ながら予防方法も治療方法もありません。

 

早めに受診する

 

いくら様子を見ていても妊娠の可能性を低くするような以下の要因が存在している場合には、それを放置して様子を見ていれば、無駄に時間を費やしてしまい、年齢も上がるため妊娠できる確率がどんどん低下してしまいます。


女性の場合は、月経周期のホルモン分泌に影響するような異常がないか検査したり、卵管の通り具合が悪くなっていないか、精子が子宮入り口の粘液のなかに入っているかなどを調べます。

男性の場合は精液検査を行い、精液量や精子濃度、運動率、奇形率などを調べて自然妊娠が可能なレベルかを検査します。

早めに検査しておくことで、今後の治療計画が立てやすくなるでしょう。

 

自分たちにとって適切なクリニックを選ぶ

 

きちんと丁寧にわかりやすい説明をしてくれて、感覚的に自分の会っているなあと感じるクリニックを選び通うことが不妊治療成功の近道になるでしょう。不妊専門のクリニックでは待ち時間が1-2時間になることもよくあることを知っておく必要があります。

 

ホルモンバランスを整える

 

ホルモンバランスの乱れは不妊の原因にもなるので、乱れがちな日々の生活習慣や食生活を見直すことが大事です。


ホルモンバランスを良くし、順調な月経周期を維持することは、卵子と精子が出会い受精卵ができ、卵管の中を順調に運ばれてゆき、子宮腔内の内膜に着床するために重要ですので、休みの日などは十分に休養を取って、リラックスする時間を多くするように心がけていただきたいことです。

  • ・栄養バランスの取れた食事
  • ・良質な睡眠
  • ・ストレス解消
  • ・適度な運動
  • ・酒・タバコなどの嗜好品を控える
    特にたばこは治療を行っても、確実に妊娠率を低下させます。隣でご主人がたばこを吸って、その副流煙をすうだけでも妊娠率は低下します。いずれにしても妊娠してもたばこを止められなければ、流産、早産、死産、生まれてくる赤ちゃんの体重を200gくらい減らしてしまいます。妊娠中にたばこを吸う度に赤ちゃんの酸素濃度が低下して苦しがります。おなかの赤ちゃんの首を絞めているのと同じです。胎児虐待をしているのと同じです。また、生まれてから1年以内に赤ちゃんが突然呼吸を止めてしまって死亡してしまう乳幼児突然死症候群を言う確率も高くなります。

 

身体を温める

 

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冷えは身体の様々な不調につながると言われていますが、妊娠にどのように関わっているのかという科学的な証明はありません。しかし、妊娠を希望するあまり、毎日インターネットの中を探し回っているようでは、そのストレスにより末端の毛細血管は収縮してしまいます。このような全身での体温のアンバランスは、体が常に緊張状態になってしまっています。十分にリラックスする時間を取り、神経的な安らぎを増やして体全体の体温を均等に保てるようにして過ごしましょう。インターネットはほどほどになさってください。


身体を温める方法として有効な方法は以下の通りです。

  • ・代謝を上げる食べ物を食べる
  • ・シャワーではなく少しぬるめの湯船にゆっくりと浸かる
  • ・冬などはファッション中心の薄着にならないように腹巻、カイロなど市販のグッズを使う
  • ・軽い運動をする。自分を追い込むようなハードな運動は妊娠の可能性を低下させるという論文が複数あります。

 

身体を温めると血行や代謝が良くなり、子宮内膜の毛細血管の流れの改善も期待できますので注意してください。

 

肥満にならないよう気をつける

 

肥満は健康に悪影響を与えるのは周知のことではありますが、肥満によって妊娠率が低下することが論文で証明されています。


さらに、肥満であると妊娠した後も以下の妊娠中の合併症のリスクが増加し、胎児や母体の危険度が上昇するので大変危険です。特に年齢が高い妊娠では妊娠中に胎盤が剥がれてしまうことも起こりやすくなります

  • ・妊娠高血圧症候群
  • ・脂質異常症
  • ・妊娠糖尿病

肥満の解消も不妊治療の一つとして捉え、太り気味の方は運動や食生活の見直しなどを行い、適正体重を目指しましょう。

 

サプリメントをとり入れる

 

栄養不足の状態では健康な精子や卵子をつくるのは難しいので、妊娠しやすい身体づくりのためのサプリメント摂取は一つの選択肢でもあるかもしれません。


サプリメントは市販のものから医療機関でしか取り扱いのないものまであります。

インターネットで検索すると山のように出てきます。自己判断でサプリメントを過剰摂取してしまうと逆効果になる恐れがあるので、医師や薬剤師、管理栄養士などの専門家に相談するようにしましょう。

 

〇妊娠に欠かせない栄養素

  • ・葉酸
  • ・ビタミンE
  • ・亜鉛
  • ・鉄

 

不妊治療は一定の期間を経て妊娠に至らなければ躊躇せずに受診されて、基本的な検査を開始し、結果に応じての治療を早めに始めるのがおすすめです。

 

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不妊治療の心構えと成功率を上げるためできることについて解説しました。


年齢とともに胎児異常の発生率が高くなって妊娠する確率が下がっていき、たとえ妊娠したとしても流産やのリスクが高まるため、不妊だと感じたら早めに不妊治療を開始するのが望ましいです。

不妊治療はある程度の通院時間や費用がかかるうえに、体外受精をもってしても必ず妊娠するとは限りません。年齢を重ねてからの妊娠を希望される方はハードルが高く感じられ、精神的につらいときもあるかと思います。しかしながら、個人差が大きく作用してきます。受診されて、治療を開始してあっという間に妊娠されたりする方もみえます。通院してみようと決められたのであれば、前向きに明るい気持ちをお持ちになって受診されることが重要です。私の個人的な印象ですが、楽天的に構えてくよくよ考え込まない方のほうがさっさと妊娠されていくような気がします。

パートナーと将来の人生設計を含めて良く話し合って検討していただきたいです。

投稿者: いくたウィメンズクリニック

2023.06.11更新

「2人目不妊」という言葉をあなたは知っていますか?
2人目不妊とは、医学的には続発性不妊と言います。「1人目はすんなり授かることができたのに、2人目の妊娠がなかなかできないこと」を指します。

この記事では、2人目不妊の原因や対策について解説します。

 

2人目不妊とは?

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1人目が自然妊娠で出産した場合でも、その妊娠・出産の時と比べると環境も身体も変わっています。
1人目の子供が産まれた後に、2人目の妊娠を希望して、避妊せずに性交渉があっても、1年以上妊娠することがなかった場合、「2人目不妊」と判断してよいでしょう。

 

2人目妊活特有の悩み

 

2人目妊活の悩みは、1人目の妊活とはまた異なった悩みがあります。
それは、年齢や身体の変化に加えて、1人目の育児を並行しながらの妊活になるため、パートナーとタイミングが合わなかったりして、セックスの機会がなかなか持てないといったこともあるようです。

 

2人目不妊になってしまう原因は?

 

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2人目不妊には、人それぞれ異なった原因があります。
原因が1つとは限らず、「いくつかのことが重なって2人目不妊の状況を招いた」ということもあるでしょう。
ここでは、2人目不妊の原因について解説します。

 

年齢の変化

 

晩婚化が進んでいる影響もあるのか、1人目の出産をする母親の平均年齢は年々上がりつつあり、2021年の厚生労働省の統計によると「30.9歳」という結果でした。
そのため、2人目を望む時には母親の年齢が早くて32歳、子育てに手間取っていると35歳を超えているケースが多くなっています。

男性も加齢やストレスによって、精子をつくる機能や精子の運動性、数が徐々に低下してきますが、死ぬまで精子を作っています。一方女性は加齢によって卵子が老化してくるのですが、35歳辺りから一気にすすんできます。そういった男女の加齢がなかなか妊娠しないことに影響しています。

また、女性は加齢によって子宮筋腫や子宮内膜症といったトラブルも起こりやすくなり、35歳を過ぎると妊娠率は減少、妊娠しても流産の確立は高くなります。

 

子宮・卵管環境の変化

 

1人目を出産した後の子宮内感染や、流産手術を受けたことで、子宮や卵管に炎症を起こし、それが子宮因子や卵管因子の不妊につながるというケースもあります。

 

一人目出産後の体の変化

 

出産の際に大量に出血を経験したことで、脳のすぐ下にぶらさがっている脳下垂体というホルモンの分泌の中継地点に障害が起こり、ホルモンの分泌異常が起こり、不妊症となるごく稀なケースもあります(シーハン症候群)。

 

もともと不妊だった

 

もともと妊娠しにくい条件があったのに、「その時、たまたま好条件が重なり運良く1人目を授かることができた」という場合もあります。
本来は妊娠しにくい条件があるので、2人目がなかなか妊娠できないことが考えられます。

 

パートナーの変更

 

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今や離婚、再婚は珍しいことではありません。
1人目を出産した後、パートナーが変わることで不妊となる場合もあります。

すでに1人子供がいる場合は、相手側に不妊の原因があると思いがちですが、相手が変わることによって、お互いの「妊娠するための条件がうまく合わずに、子供ができない」という場合もあります。

 

一人目出産後のセックスレス

 

性交渉の機会が減れば、当たり前ですが妊娠のチャンスも減ります。
「1人目の妊娠を機に性生活が変わってしまった」という方も少なくないようです。

小さな子供のいる生活は忙しく、慣れない育児と家事に加え仕事の多忙さも重なり「育児や仕事に追われているうちに、性生活がなくなった」等、性生活が変化し、セックスレスの傾向にあるという夫婦も多いようです。ご主人が40歳になっており一人子供がいる場合にはご夫婦が月に1度も性行為のないセックスレスとなっているご夫婦が50%を越えるというデータもあります。女性の理由は最も多いのが「面倒くさい」、「特に必要と思わない」で、男性の最も多い理由は「仕事で疲れている」、「特に必要と思わない」です。あてはまっていたりしませんか?こういうご夫婦では月に一回排卵日辺りに性行為がある程度になっています。これではなかなか妊娠しません。

 

痩せすぎや肥満

 

痩せすぎや肥満も不妊の原因の一つになります。
肥満になると月経周期が不安定になってしてしまうことが分かっていますし、痩せすぎもまた栄養不足の面から卵巣が正常に機能しなくなることがあります。

 

2人目不妊の対策は?

 

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2人目の妊娠を希望するなら、治療を始める前、または始めるとともに、夫婦で生活スタイルを見直すことを考えてはいかがでしょうか。
ここでは、治療とは違った日常生活の中で取り組めることをご紹介します。

 

まずは出来る生活改善を

 

もしも、喫煙習慣があるなら見直すことをおすすめします。
なぜなら、男性の喫煙は精子を作る機能や勃起不全の発症に影響を及ぼすといわれているからです。
女性の場合には、卵巣の老化を促進させ、流産の恐れを高めるおそれがあります。

また、アルコールの摂りすぎにも注意が必要です。
少量のアルコールは血液の流れを促進したりしますので影響はありませんが、過度のアルコールは男性ホルモンの分泌を低下させますし、精子の形成に必要なミネラル(特に亜鉛の過剰排泄を起こします)やビタミンを減少させてしまいます。実際に接種日数が多くなると精液料、正常形態率が低くなるという報告もされています。女性に対しては必ずしも一定の見解はありませんが、過料になれば良いとはいえません。

 

栄養バランスの摂れた食生活

 

栄養バランスの良い食生活を心がけることで、健康な身体を維持することもできます。
食生活の乱れは肥満や身体の栄養不足、免疫力の低下を招く恐れがあります。
直接的に妊娠につながらなくても、心身の状態が良いにこしたことはありません。

 

身体を冷やさない

 

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冷えは血流の悪さもともない、身体のさまざまな不調の原因となりますし、妊娠にも大きな影響を及ぼします。
「冷える」という言葉から冬をイメージするかもしれませんが、夏も冷房や冷たい飲み物などで身体を冷やしやすい傾向にあります。

もし、身体の冷えを自覚しているなら、今からでも温活を意識して改善していきましょう。

 

ストレスをためない

 

ストレスは妊活にも良くありません。

 

ストレスの緩和に睡眠は重要な役割を果たします。
なぜなら、睡眠には「身体を休ませる」という役割のほかに、「脳を休ませる」という役割もしてくれるからです。

睡眠中は細胞を回復させてくれるだけでなく、自律神経に休息を与えてリラックスさせてくれるので、ストレスが緩和されます。

 

2人目不妊の治療とは?

 

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検査

 

まずは不妊の原因を見つけるために検査を行います。
女性は、基礎体温チェック、血液検査、性感染症の検査や経膣超音波検査などを行います。
一方、男性は精液検査や感染症検査を行います。

 

タイミング法

 

次に、予測した排卵に性交のタイミングを合わせる「タイミング法」が行われます。
排卵の予測は、基礎体温に加えて、超音波による卵胞の大きさチェックや血液検査、尿検査などのデータが活用されます。

 

排卵誘発法

 

排卵誘発法は、内服薬や注射で卵巣を刺激して排卵を起こさせる方法です。
先述のタイミング法のように排卵日を探していってタイミングを取ります。

 

人工授精

 

人工授精は、排卵日に注入器で精子を子宮内に送り込む方法です。

 

夫の精子を注入する「配偶者間人工授精(AIH)」と、夫以外の人から提供された精子を注入する「非配偶者間人工授精(AID)」の2つがありますが、一般的にまずAIHしかおこなわれておりません。

 

体外受精

 

体外受精とは、卵子を体外に取り出して、精子との間で受精させ、培養し、できた受精卵を子宮内に移植する方法です。

具体的には、排卵誘発剤を注射して多くの卵胞発育を促した後、膣から細い針を入れ卵巣から卵子を吸引し、用意した精子と一緒に培養して、受精させます。極めて精液所見の悪句、以前ならばお子さんを持つことは不可能とされてきたような場合でも、精液中に動いている精子さえいれば、顕微授精という方法で受精卵を作ることができます。活発で形態の異常が無く元気な精子を捕まえてきて、卵子に注入して授精させる方法です。
特にこれといった異常が検査で見つからなければ不妊治療は段階的に行われていきますが、年齢や不妊の原因によっては早い段階で体外受精を勧められる場合もあります。

 

妊活するなら温活

 

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昔から「冷えは万病のもと」といわれています。
もちろん妊活にとっても「冷え」はよくありません。
ここでは、冷えが妊活に及ぼす影響と温活について解説します。

 

冷えは妊活の敵

 

冷えると身体にいろいろな不調を引き起こしますが、もちろん妊活にとっても冷えは大敵です。
冷えが妊活に良くないといわれる理由には、以下の主に3つがあげられます。

 

子宮環境にも悪影響

 

冷えが著しくなると全身の末梢血管の血液の流れが悪くなります。子宮や卵巣への血流が滞りがちになってしまいます。
毛細血管の血流が悪くなり子宮内膜の中の血流が悪くなると着床や着床後の胚の発育に影響が出る可能性が有ります。着床した胚は子宮内膜に潜り込み、その中で毛細血管を壊して吹き付けてくる血液の中から栄養分を摂取して育ってきます。胚からすると子宮内膜はふかふかのベッドで無ければいけないのです、

 

血行&代謝が悪くなる

 

血行が悪いと、葉酸や鉄分、亜鉛などの妊活に良い栄養素を積極的に摂取したとしても、体内にいきわたらなくなってしまいます。

また、血行が悪いと体温も低下するので、身体の代謝も悪くなってしまい、脂肪燃焼もされにくくなるため、肥満につながりやすくなります。

太りすぎはホルモンバランスや生理の周期も乱れやすく、月経異常や月経不順になりやすいため、妊活にもよくない影響を及ぼしかねません。

 

免疫力が低くなる

 

体温が1℃下がると免疫力が30%下がるといわれています。
妊娠しやすい身体に整えておくためには、免疫力を維持することも大切です。

免疫力が低下してしまうとウイルスや風邪に対する抵抗力が弱くなるため、体調を崩して妊娠のタイミングを逃してしまうことにつながります。

 

温活の方法

 

ここからはあまり医学的な話で無く、一般的に言われているような事柄です。そのつもりでお読みください。

 

冷えから身体を守る、または冷えを改善する「温活」について、おすすめの方法をご紹介します。
「冷えている」という自覚がなくても、ぜひ取り入れてみてください。

 

代謝を上げる食べ物を積極的に摂取

 

身体の代謝を上げると身体の熱もアップします。
そのためにも代謝を上げるといわれる食べ物を積極的に摂りましょう。

また、冷たい食べ物や飲み物は内臓を冷やし、身体を冷やします。
たとえ真夏であっても、摂りすぎは低体温につながるため避けましょう。

 

<身体を温める食べ物>
生姜、根菜類、玉ねぎ、ねぎ、にんにく、らっきょう、納豆、チーズ
<身体を温める飲み物>
紅茶、ルイボスティー、三年番茶、生姜湯、甘酒

 

程よく汗が出るほどの入浴

 

身体全体を温めるのに効果的なのが「入浴」です。
つい簡単にシャワーで済ませてしまいがちですが、熱めのシャワーで身体を温めても表面が温まるだけなので、身体の芯からは温めることはできません。

38度~40度くらいのお湯に15分程度浸かり、じんわりと汗ばむほど入浴することが大切です。
数分浸かるだけでは温まらないので、15分程度を目安にしましょう。
また、足裏やふくらはぎなどをマッサージすると血流や代謝が良くなるのでおすすめです。

 

適度な運動

 

運動も身体の体温をすぐに上げることができる方法の一つです。
ジョギングやウォーキング、ストレッチやヨガなど、好みに合った運動を取り入れて、身体がポカポカと温まる程度に身体を動かすことを習慣化しましょう。

特に身体の中で大きな筋肉がある下半身をたくさん動かすことで、効率的にエネルギーを使うので代謝アップになるほか、筋力をつけることができます。

 

下半身を中心に温める

 

下半身の冷えは、子宮や卵巣の冷えに直接影響を及ぼします。
特に30代以上になると、血流が滞りやすく、デスクワークなどによって凝り固まった筋肉が、さらに冷えを悪化させてしまいます。

下半身には熱を生み出す筋肉の70%が集まっているため、集中的に下半身を温めることが重要です。
腹巻、発熱タイツなど薄手のインナーは体温調節がしやすく、アウターにもひびきにくいので上手に取り入れてみてください。

 

おすすめ温活グッズ

 

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身体を冷えから守るために、温活グッズは欠かせないアイテムです。
ここでは、おすすめの温活グッズをご紹介します。

 

腹巻

 

腹巻は、薄さ、厚さ、素材や長さや形状など、豊富な種類が販売されています。
冬に利用される方が多いイメージですが、冷房が効いている夏も愛用者が多いアイテムです。

数ある腹巻の中で、アウターにひびかない薄さでありながら、保温性に優れたアイテムという点でシルク素材の腹巻がおすすめです。
腹巻は優しい温かさでじんわりとお腹を温めてくれるので、ぜひ取り入れて欲しい温活グッズです。

 

カイロ

 

冬に使われることが多いカイロも、はずせない温活グッズの一つです。
悪寒を感じた時は肩甲骨の間に使ったり、身体全体を温めたい時は仙骨のあたりやおへその下にある丹田を温めると効果的です。

肩こりや頭痛を感じる方は肩や首、背中を温めると血行がよくなり、ラクになります。

 

布ナプキン

 

布ナプキンは体温を保ってくれるので、子宮の冷えも解消されるようです。
子宮の冷えは血液循環を悪くし、冷えにつながりますので、布ナプキンで温めることで生理痛の緩和が期待できます。

 

靴下

 

身体の末端である足先が冷えやすい人にとくにおすすめなのが靴下です。
冬だけでなく、夏場も足の冷えを感じる人は靴下で冷やさないようにしてください。

靴下を重ね履きすると温かさがアップしますし、5本指靴下や足裏用のカイロを使用するのも良い方法です。
保温性の高い特殊な繊維で作られた靴下もあるので、色々試してみると良いでしょう。

 

サプリメント

 

栄養バランスの乱れも冷え体質につながります。
栄養を補うサプリメントを利用するのも良いですし、身体を温める温活のサプリメントや、腸内環境を整えて免疫力をアップする腸活サプリメントなどもおすすめです。

 

まずは自分でできることから

 

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2人目不妊の原因と対策、治療などについて解説してきました。
早めに治療を始めることも大切ですが、食生活の改善や適度な運動、温活など、自分にできることも並行して取り入れてみたいと感じたなら、参考にしてみてください。

投稿者: いくたウィメンズクリニック

2023.06.02更新

妊の大きな原因のひとつともいわれる、卵管通過障害。
卵管に障害があると、精子と卵子が出会えずに受精ができず、不妊となってしまいます。

 

卵管通過障害はいくつか原因があり、原因を探って、適切な治療をしていく必要があります。
どんな原因が考えられ、検査方法や治療方法はどのような方法があるのでしょうか。

 

卵管通過障害について、まとめました。

 

卵管通過障害とは

卵管通過障害とは

 

受精卵の通り道となる卵管は、子宮の左右にあり、だいたい10cm程度の長さがあります。
卵管通過障害とは、卵管がなんらかの理由で詰まってしまったり、狭くなってしまう状態です。

 

  • ・卵管通過障害とは
  • ・卵管通過障害の自覚症状は

 

卵管通過障害とは、さらに自覚症状にはどのような症状があるのかを、確認しておきましょう。

 

卵管通過障害とは

 

卵管通過障害とは、卵管の閉塞や狭窄により、卵子が通過できなくなっている状態です。
不妊症に悩む女性の30%が卵管通過障害だといわれており、珍しい疾患ではありません。

 

卵管が閉塞していると、受精卵が通過できないだけでなく、そもそも受精が困難となります。
卵管の狭窄がおきていると、受精卵がうまく着床できずに子宮外妊娠となってしまう可能性もあります。

 

卵管は10cmほどの長さだとお伝えしましたが、1番細い部分の直径は約1mmという細さです。
閉塞や狭窄があれば、適切な治療をしていく必要があります。

 

卵管通過障害の自覚症状は

 

卵管通過障害は、基本的には無症状で痛みなどがありません。
そのため不妊治療をして、初めて疾患に気付くという方も少なくありません。

 

稀にある自覚症状としては、おりものの増加や下腹部の重たい感じなどがあります。
しかしおりものの変化や下腹部の違和感だけで、卵管通過障害だと確定はできません。

 

卵管通過障害の原因

卵管通過障害の原因

 

卵管通過障害になってしまう理由として、このような原因が考えられます。

 

  • ・クラミジア感染症
  • ・子宮内膜症
  • ・卵管周囲の癒着

 

卵管通過障害の原因について、ご紹介します。

 

クラミジア感染症

 

クラミジア感染症は、日本で最も多い性感染症のひとつです。
性交渉などが原因でクラミジア・トラコマチスという病原菌が感染します。

 

女性は8割の方が無症状で、自覚症状がありません。
しかしクラミジア感染症が悪化すると、子宮頚管、子宮、卵管や卵巣にも影響がでる場合があり、不妊の原因にもなります。

 

クラミジア感染症によって、卵管が周囲と癒着して卵管障害が起こる原因となります。
子宮頚管部に感染して炎症が起きると、クラミジア性子宮頚管炎という形で影響が出るケースもあります。

 

子宮内膜症

 

子宮内膜症は、膀胱や卵巣など、子宮以外の場所で内膜のような組織が増えてしまう症状です。

 

子宮内膜またはそれに似た組織が何らかの原因で、本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生し発育する疾患が子宮内膜症です。
20~30代の女性で発症することが多く、そのピークは30~34歳にあるといわれています。

日本産科婦人科学会より引用

 

子宮内膜症になると、腹痛や月経痛、排便通性交痛を感じる方が多く、痛みは代表的な症状といえます。
さらに卵管障害の原因になりますので、妊娠を望む方にとっては不妊の原因となります。

 

子宮内膜症の原因としては、これらの原因が考えられます。

 

  • ・初潮の低年齢化
  • ・女性1人あたりの出産回数の減少
  • ・生理周期の乱れ
  • ・欧米化した栄養過多の食生活

 

しかしどれも直接的な原因と断定できるものではなく、具体的な理由はわかっていません。

 

卵管周囲の癒着

 

卵管が癒着して閉鎖や狭窄し、卵管通過障害となってしまう場合もあります。

 

  • ・クラミジアの炎症による癒着
  • ・開腹手術による癒着

 

クラミジアの炎症による癒着だけでなく、過去に開腹手術の既往歴がある方は、卵管周囲の癒着が起きているかもしれません。
子宮外妊娠や帝王切開などが理由の手術を受けた経験のある方は、医師に相談してみるといいでしょう。

 

卵管通過障害の検査

卵管通過障害の検査

 

卵管通過障害があったとしても、痛みや自覚症状のない状態です。
そのため診断には、クリニックでの検査が必要となります。

 

卵管の通りやすさへの評価、閉塞や狭窄の有無を調べるには、いくつかの方法があります。
卵管通過障害と診断されるまでに行われる検査には、以下のような検査があります。

 

  • ・クラミジア抗体検査
  • ・X線子宮卵管造影検査(レントゲン)
  • ・超音波下子宮卵管造影検査(エコー)
  • ・通水検査

 

卵管通過障害の検査について、ご説明します。

 

クラミジア抗体検査

 

卵管通過障害の原因となる、クラミジア感染症をチェックする検査です。
不妊の原因を調べる際の検査として、クラミジア抗体検査は早い段階で実施されます。

 

クラミジア抗体が陽性だとわかると、次のステップとして子宮卵管造影検査や癒着の確認へ進みます。
卵管因子による不妊の場合、クラミジアが原因となるのは6割~7割程度です。

 

クラミジア抗体検査の方法は、採血です。
抗原検査だと、尿検査や膣分泌物、肛門分泌物で検査を行います。

 

X線子宮卵管造影検査(レントゲン)

 

X線子宮卵管造影検査とは、不妊治療においては多くの場合において必要になる検査です。

 

子宮と卵管の通り具合を検査するための造影剤を使った特別なレントゲン撮影である。 子宮口からカテーテルを入れ、子宮頸管を通って子宮まで差し込み、バルーンを膨らませて固定する。
その後、造影剤を流し込み、レントゲンを撮影する。 

Wikipedia子宮卵管造影検査より引用

 

卵管の通過性を確認するための検査です。
子宮内にチューブを固定する際には激痛が走るともいわれますので、不安になる方も多いでしょう。
高粘度の造影剤を細い卵管に注入しますので、注入の際にも痛みが発生します。

 

しかし子宮卵管造影検査で造影剤を注入した後は、卵管の通りがよくなり妊娠しやすくなるともいわれています。
検査後をゴールデンタイムと呼ぶドクターもいます。

 

X線子宮卵管造影検査の注意点

 

X線子宮卵管造影検査は、以下のような条件に当てはまる方は受けられない場合もあります。

 

  • ・ヨード造影剤アレルギーの方
  • ・甲状腺疾患をお持ちの方
  • ・糖尿病のお薬メトホルミンを服用中の方
  • ・妊娠の可能性がある方
  • ・クラミジア抗体検査を受けていない方

 

X線子宮卵管造影検査は、造影剤を使用したレントゲンの検査です。
大量の放射線は受精卵を死亡させてしまう恐れがありますので、妊娠の可能性のある方は検査ができません。

 

子宮卵管造影検査を予定している方は、月経後から避妊しておくようにしましょう。

 

超音波下子宮卵管造影検査(エコー)

超音波下子宮卵管造影検査(エコー)

 

先ほどご紹介した子宮卵管造影検査は、レントゲンでの検査です。
超音波下子宮卵管造影検査とは、レントゲンではなくエコーで卵管の通過を調べる方法です。

 

カテーテルを挿入し、バルーンを固定するのは同じですが、造影剤ではなく生理食塩水及び空気の混合液(以前の物は液の精度に問題があり現在は出回ってはいませんし、バイエルの物はディスポでかなり高価で患者さんからもお金をもらえないので行う施設はありません)を注入します。

 

注入した混合液の流れをエコーで確認し、卵管の通りを確認していきます。

 

レントゲンではなく、エコーで検査をすると以下のようなメリットがあります。

 

  • ・放射線被爆の心配がない
  • ・X線子宮卵管造影検査と同等の高性能
  • ・ヨード造影剤アレルギーの方も検査可能
  • ・甲状腺疾患をお持ちの方も検査可能
  • ・X線子宮卵管造影検査より痛みが少ない

 

どちらの子宮卵管造影検査が適しているかは、医師と相談して決めていきましょう。

 

通水検査

 

通水検査とは、生理食塩水を子宮内に注入し、卵管の通りを確認する検査です。
子宮卵管造影検査と比較すると、診断情報や診断性の高さは劣ります。

 

痛みの少ない検査ではありますが、卵管に閉塞や狭窄があると痛みを感じる場合もあります。

 

卵管通過障害の治療法

卵管通過障害の治療法

 

卵管通過障害だと診断されたら、症状に合わせた治療を開始します。
治療法は主に3つあり、卵管通過障害の原因や症状に合わせて適切な方法を選んでいきます。

 

  • ・薬物療法
  • ・手術
  • ・体外受精

 

それぞれの方法について、ご説明します。

 

薬物療法

 

クラミジア感染症や子宮内膜症が原因の卵管通過障害が認められた場合には、薬物療法から治療をスタートします。
クラミジア感染症の治療には、抗生物質が処方されます。

 

性感染症はパートナーが感染していないとしても、2人で治療をするのが基本です。
1週間程度の薬の服用が目安となり、陰性を確認すれば完治となります。

 

子宮内膜症の場合には、ホルモン剤やピルが処方されます。
ホルモン剤を用いた治療では、閉経したような状態となり、排卵や生理を意図的に止める治療法です。

 

妊娠を望む方であれば、どのような方法が適切なのかを医師と話し合う必要があるでしょう。

 

手術

 

検査によって卵管の閉塞や狭窄が見つかった場合には、卵管鏡下卵管形成術を行います。
子宮にカテーテルを通して卵管の入り口を確認し、卵管にバルーンを挿入していきます。

 

バルーンによって、卵管の閉塞部分や狭窄部分を広げていく手術です。
卵管鏡下卵管形成術での治療をした方は、多くの方が3ヶ月以内に妊娠されています。

 

卵管の末端部分の病気が見つかった方は、腹腔鏡手術での治療となります。
卵管通過障害の原因に対して、適切な治療を行うのが重要です。

 

体外受精

 

卵管通過障害と診断された方で、妊娠を急ぐ場合には体外受精という選択をされる方もいます。
癒着が進んでいる、卵管障害が重度であると診断される場合には、卵管を使用せずに妊娠できる方法もあると覚えておくといいでしょう。

 

ただし卵管に水が溜まる「卵管水腫」がある場合には、着床率が低下してしまいますので、卵管切除術が必要になる場合もあります。
体外受精は卵管通過障害の治療というよりは、不妊治療の対応のひとつとなります。

 

卵管通過障害で自然妊娠

 

卵管通過障害が不妊の原因だと診断された方は、自然妊娠の確率は低くなると考えておきましょう。
しかし卵管は左右2本ありますので、片側のみの卵管通過障害であれば自然妊娠の可能性もあります。

 

卵管通過障害は、片方の卵管に異常があるケースと、双方の卵管に異常があるケースがあります。
一般的に卵管通過障害は不妊の大きな原因だと考えられますので、片方であっても卵管通過障害が認められた場合は、治療に踏み切った方がよいでしょう。

 

女性の不妊の原因

女性の不妊の原因

 

不妊の原因は男性側にも女性側にもある可能性があります。
女性の不妊の原因として考えられるのは、卵管通過障害だけではありません。

 

  • ・卵管因子
  • ・排卵因子
  • ・子宮因子
  • ・頸管因子

 

女性の不妊の原因について、まとめました。

 

卵管因子

 

卵管因子とは、卵管通過障害も含めた、卵管の異常に関する要因です。
卵管因子は不妊の原因の中でも、割合の多い症状のひとつです。

 

2003年に日本受精着床学会が行なった不妊治療患者によるアンケート調査では、男性因子33%、卵巣因子21%、卵管因子20%、子宮因子18%、免疫因子5%、その他4%であった。

日本産婦人科医会より引用

 

卵管因子には、ピックアップ障害という症状もあります。
卵管の先にある卵管采が、卵子をうまくピックアップできずに卵管に取り込めなくなってしまう状態です。

 

このように、卵管因子と一口にいっても、不妊にはさまざまな要因が考えられます。

 

排卵因子

 

排卵がうまく起きていない、成熟していないというより適当な時期に排卵刺激が起こらず過熟になった卵子が排卵されてしまう、排卵の異常です。

 

ホルモンバランスの乱れが原因ですが、排卵がないと妊娠できません。

 

病院においでにならないのなら基礎体温をつけてみると、無排卵や排卵がたまにしか起きていないという状態がわかるでしょう。
しかし非常に不正確なものですので過信はしないようにしてください。

 

しかし月経があったとしても排卵されていない「無排卵症」という症状の場合には、自覚症状はありません。

 

子宮因子

 

子宮内膜症が卵管通過障害の原因になると先述しました。
子宮内膜症だけでなく、子宮にしこりができる「子宮筋腫」や子宮の形に奇形がある「子宮奇形」も不妊の原因となりえます。(確定的な証拠はないので断定は全くできません)

 

頸管因子

 

頸管粘液の分泌量が少量であったり頸管粘液がさらさらにならないために精子の子宮腔への到達数が制限されてしまう「頸管粘液不全」なども不妊の原因となります。

 

子宮頚管の炎症や、過去の手術が影響している可能性があります。

 

焦らない妊活を

 

妊活は精神的な負担もかかります。
「妊活うつ」という言葉もあるほどで、心身のバランスが崩れていくとストレスが増大し、どんどん追い詰められてしまうかもしれません。

 

卵管通過障害は珍しい症状というほどではありません。
的確に原因がわかれば、確実に治療ができる症状だといえます。

 

卵管通過障害が完治すれば必ず妊娠できるということではありませんが、治療後に妊娠された方は多くいらっしゃいます。
ご自身とパートナーと、さらには信頼できるドクターと一緒に、焦らずに1歩1歩進んでいきましょう。

 

最後に大事な事があります。
妊娠するかどうかの一番大きな因子は女性の年齢なのです。
迷っているうちに半年、1年過ぎれば同じ治療を行ったとしても妊娠できる確率は低下してしまいます。とにかくまずは信頼の置ける施設を受診して相談してみることです。

投稿者: いくたウィメンズクリニック

2023.05.30更新

男性不妊のセルフチェックについて知りたいと悩んでいませんか?

 

この記事では「男性のセルフチェック」について紹介していきます。

 

結論、男性不妊のセルフチェックは男性不妊と関係するような項目が当てはまるかどうかをチェックすることにより

男性不妊の早期発見・早期治療にもつなげられる可能性があります。

 

他にも「男性不妊の原因」や「男性不妊の治療方法」についても解説します。

 

ぜひこの記事を参考に、男性不妊のセルフチェックについて理解を深めてみてください。

 

また「卵管障害(卵管通過障害)」について知りたい方は、こちらにて解説を行っていますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

男性不妊のセルフチェックとは?

男性不妊のセルフチェックとは?

 

 

男性不妊のセルフチェックは、検査を行わずに男性不妊かどうか調べて、早期発見・早期治療を行えます。

 

具体的な男性不妊のセルフチェックの項目については、以下が挙げられます。

 

  1. ・挿入・射出ができない
  2. ・陰毛が少ない
  3. ・陰嚢の腫れや熱感を感じる
  4. ・陰嚢に痛みを感じる
  5. ・陰嚢の左右サイズに違いがある
  6. ・喫煙をしている肥満気味
  7. ・サウナによく入る・風呂の温度は熱い方である
  8. ・勃起しにくい
  9. ・糖尿病を患っている
  10. ・ジーンズは細身でぴったりとしたものをよく穿き、ブリーフの下着を使用している
  11. ・糖尿病を患っている
  12. ・抗がん剤治療、下腹部に放射線治療を受けたことがある
  13. ・子供の頃鼠径ヘルニアの手術、停留睾丸の手術を受けたことがある

 

上記の項目に当てはまっている方は、男性不妊の可能性が高かくなりますので、少しでも気になる方はなるべく早く医療機関で診断を受けるようにしましょう。

 

男性不妊の原因

男性不妊の原因

 

 

具体的な男性不妊の原因については、以下のとおりです。

 

精液所見の表現方法からでは、大まかに

 

  • 無精子症--------精液中に精子がみあたらない
  • 精子無力症-----運動している精子が基準値以下(2021WHO基準では42%が正常下限)
  • 奇形精子症-----正常形態率が基準以下(2021WHO基準では4%が正常下限)
  • 無力奇形精子症--前進運動と正常形態精子が基準以下
  • 乏精子症--------総精子数が基準以下(2021WHO基準では42%が正常下限)

 

それぞれの原因について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

無精子症

 

無精子症とは、精液の中に精子が全く無い状態を指します。

 

2回精液検査で2回とも精子を確認できない場合に、無精子症の診断となり、割合は男性100人に1人の割合とされています。

 

具体的に無精子症は、大きく分けて以下2つに分けられます。

 

分類  原因
・閉塞性無精⼦症 何らかの原因で精子の通り道が閉塞してしまい、精子が出てこられない状態を指します。原因は過去に精路に炎症が起きてしまったり、生まれつき閉塞していたりするなどが挙げられます。精巣は正常なので、手術によって男性不妊は改善できます。
・⾮閉塞性無精⼦症 精子を作る能力が低下してしまった状態を指します。原因としては、Y染色体微小欠失やクラインフェルター症候群、放射線治療などが挙げられますが、原因不明な箇所は多くあります。外科的な処置や手術が必要になりますが、精巣上体や睾丸内の組織から精子が得られれば、その精子を使用して顕微授精は可能です。

 

上記のように、無精子症の原因は幅広く、原因がはっきりしてないケースもあります。

 

精子無力症

精子無力症

 

精子無力性は、動いている精子が少ないために、卵子のところまで行き着くのが難しく、受精がおこりにくい状態を指します。

通常の場合は、60~80%が動きな活発な精子がありますが、40%以下になると精子無力症という診断になります。

基本的な原因は未だ明らかではありませんが、環境ホルモンなどの有害物質、内分泌攪乱物質などが影響しているとも言われています。

精液の所見は、食生活や生活習慣、ストレスなどの要因によっても変化するので、ビタミン剤や漢方、亜鉛などを摂取したり、生活改善などの治療が行われます。

受精が実際に起こるか否かは予測できず、体外受精を行っても受精が起こらなければ顕微授精などによって、受精させることが可能です。

 

乏精子症

精液中の精子の数が少ない状態を指し、性染色体Xが過剰のクラインフェルター症候群などのほかに、Y染色体の微小欠失の存在のような遺伝的な要因や精巣静脈瘤、

おたふく風邪、薬剤の服用、放射線の被曝などさまざまなものが原因なりますが、原因の分からない場合が大部分をしめます。

睾丸が小さく比較的柔らかであれば精子を作る機能が障害されている(造精機能障害)可能性が高く、正常の大きさならば精子を送り出す通路の狭窄が考えられます。

治療方法は、原因により異なりますが、精巣静脈瘤の手術以外は、精液所見を正常化させるのは難しいです。

 

精子数が少ない場合の造精機能障害について

精子数が少ない場合の造精機能障害について

造精機能障害は、精子を作る機能が低下することを指し、男性不妊の約8割が造精機能障害とされています。

原因については、精巣内の血流悪化や活性酵素の増加、低酸素状態などが原因とされていますが、ほとんどが原因不明です。

根本的な治療方法はありませんが、漢方やサプリメントなどが挙げられます。

また、改善が見られない場合には、人工授精や顕微鏡受精、精巣内精子採取術(TESE)などによって、妊娠を目指すことが可能です。

 

ED

EDとは、勃起不全とも言われており、勃起が起こらなかったり勃起状態が維持できないので、性行為を行うのが難しい状態を指します。

 

一人ひとりの状態によって異なりますが、大きく分けると4つの原因に分類されます。

 

分類  原因
・薬剤性ED 内服している治療薬の副作用が原因によってEDが引き起こされている状態を指します。主に、前立腺肥大症の治療薬や抗うつ薬などが原因とされています。年齢に関係なくEDを引き起こしてしまうので、年齢によってEDになってしまっていると勘違いしている方も少なくありません。
・心因性ED 日常生活におけるストレスやトラウマなどの精神的ストレスが原因でEDになっている状態を指します。性行為に興味がなかったり、性欲が沸かないなども心因性EDに分類されます。
・器質性ED 血管の動脈硬化や神経の障害などが原因でEDが引き起こっている状態を指します。年齢を重ねると血管は老化し、EDの症状を自覚する方が多いのも事実です。
・複合型ED EDの原因が特定できず、薬剤性ED・心因性ED・器質性EDが複合してEDが引き起こっている状態を指します。普段からストレスを溜めないように注意したり、バイアグラなどの治療薬も有効に働きます。

 

上記のように、EDを引き起こす原因は幅広くあり、主治医の先生に診療してもらい、効果的な治療の実施をおすすめします。

 

男性不妊の検査方法

男性不妊の検査方法

 

男性不妊の検査方法については、主に以下が挙げられます。

 

  • ・精液検査
  • ・泌尿器科的検査

 

それぞれの検査方法について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

精液検査

 

精液検査は、泌尿器科や自宅などで精液を採取して、精液の状態を調べる検査方法を指します。

 

具体的な精液検査のチェック項目については、以下が挙げられます。

 

 
検査項目 基準値
・精液量 1.4ml以上
・精子濃度 1600万/ml以上
・総精子数 3900万/ml以上
・前進運動率 30%以上
・総運動率 42%以上
・正常精子形態率(厳密な検査法で) 4%以上

 

引用元:2021年WHO

 

上記のように基準値が定められていますが、これは世界中の男性の精液の精液所見の基準値であって妊娠しやすさの目安ではありませんので注意が必要です。

また、自宅で精子の観察ができる様々なキットが販売されておりますが、使ったことはありませんので評価は差し控えます。

 

泌尿器科的検査

泌尿器科的検査

 

 

泌尿器科的検査は、勃起や射精の状態確認や、精巣サイズの測定・外陰部の診察などの触診を指します。

 

その他の泌尿器科的検査については、以下が挙げられます。

 

泌尿器科的検査の種類内容 
・超音波検査 陰嚢にエコープローブを当てて、異常な腫瘤が無いかの検査を行い、静脈瘤の存在を確認します。
・内分泌検査

精液検査結果の悪い場合、血液中のテストステロンやプロラクチンなどを調べて

問題があれば治療により性機能障害などの改善に繋がることが有ります。

・染色体・遺伝子検査

精子数が少ない場合でも検査が可能です。染色体に異常がある割合は3~12%と言われています。

この異常は治療することはできません。

 

病院によっては、MRIや勃起能力を調べる検査などの特殊な検査を行うケースもあるので、事前に確認しておきましょう。

 

男性不妊の治療方法

男性不妊の治療方法

 

男性不妊の治療方法については、主に以下が挙げられます。

 

  • ・GnRH療法
  • ・下垂体ゴナドトロピン療法
  • ・クロミフェン法

 

それぞれの治療方法について解説します。

 

GnRH療法

GnRH療法は、GnRH(ゴナドトロピンリリーシングホルモン)を持続的な投与によって、

下垂体からFSH,LHを分泌させる方法で、高価で有り煩雑なので実際には行われません。

 

下垂体ゴナドトロピン療法

下垂体ゴナドトロピン療法

下垂体ゴナドトロピン療法とは、精子の産生を促進して、ゴナドトロピンを補充する治療方法を指します。
ゴナドトロピン低下症などが原因で、造成機能が低下してしまっているケースに適用されます。

通院の頻度高くなりお金もかかりますが、診断が確定すれた公費の補助もあります。

薬物療法の中で、もっとも効果が高い治療方法です。

 

クロミフェン法

クロミフェン法とは、女性では排卵を起こす時使用される薬剤のクロミッドを服用していただく方法です。

基本的には、1日1/2錠を数ヶ月服用し続けます。ビタミンEと併用されることも多く男性ホルモン値が低値の場合、

6ヶ月以上服用してしまうと、精細胞に異常や医療障害などが見られるので、あらかじめ注意が必要です。

 

男性不妊になりやすい人の特徴

 男性不妊になりやすい人の特徴

 

男性不妊になりやすい人の特徴については、主に以下が挙げられます。

 

  • ・喫煙をする
  • ・飲酒する
  • ・食生活が乱れている(肥満である)
  • ・サウナや長風呂が好きな人
  • ・普段運動をしていない

 

それぞれの特徴について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

喫煙をする

喫煙をしている方は、精子形成や運動率に大きな悪影響を与えてしまいます。

実際に、喫煙者と非喫煙者の精子の数の比較で、喫煙者では約15%も減少していたという研究結果もあります。

その他にも、勃起不全の増加やDNAの損傷率の増加などが挙げられ、最悪の場合には、奥さんの受動喫煙により、

不妊、流産の頻度が高くなったりするという報告が見られます。

最近の電子たばこなどでも血液中テストステロンは変わらなくても精子数が減少するという論文があります。

 

飲酒する

飲酒する

 

飲酒をしてしまうと、体内に毒性の高いアセトアルデヒドという物質が過剰に発生し、精子を作る力が弱くなってしまうリスクがあります。

 

さらに、射精障害や勃起障害を引き起こしてしまうリスクもあります。

 

しかし、適度なアルコール量であれば、興奮効果で勃起力の向上につながります。

 

食生活が乱れている

食生活が乱れて肥満になってくると、中枢からのホルモン分泌が乱れ、

精液所見の精子数や運動率などに悪影響を及ぼしてしまうという論文が有ります。

逆に痩せすぎも影響されるというデータもあります。

明確な確定的な見解はありませんが、ほどほどの体重を維持するような食生活が大事なのは言うまでもありません。

 

 

サウナや長風呂が好きな人

 サウナや長風呂が好きな人

 

ウナや長風呂は、疲労回復やリラックス効果などのメリットが挙げられますが、睾丸の温度が上がってしまい、精子の質を下げてしまうデメリットが挙げられます。

サウナに継続的に通ってしまうと、精子の量や質が落ちてしまい、元の状態に戻るには、半年以上かかってしまうという研究結果もあります。

睾丸の精子を作るのに最適な温度は、約33度と言われていて、このために睾丸は体の外に出ていて、睾丸を入れている陰嚢は伸び縮みして車のラジエターの効果を発揮しているのです。

妊活をしている方は、なるべくサウナはもちろん、長風呂を控えるようにしましょう。

 

普段運動をしていない

適度な運動の持続は、抗酸化物質を増加させ、精子数、運動率を向上させ、精液状態を良好に保ちますが、激しい運動をしてしまうと逆に精液所見を悪化させる可能性があります。

詳しいメカニズムは明らかではありませんが、組織内の活性酸素などの酸化ストレス溜まるのが影響するのでしょうね。

いずれにしても適度な運動を継続して行うように心がけましょう。

 

男性不妊について理解を深めよう!

 男性不妊について理解を深めよう!

 

今回は、男性不妊について知りたい方に向けて、男性不妊のセルフチェックや男性不妊の治療方法を紹介しました。

 

男性不妊のセルフチェックの項目については、以下が挙げられます。

 

  1. ・挿入・射出ができない
  2. ・陰毛が少ない
  3. ・陰嚢の腫れや熱感を感じる
  4. ・陰嚢に痛みを感じる
  5. ・陰嚢の左右サイズに違いがある
  6. ・喫煙をしている肥満気味
  7. ・サウナによく入る・風呂の温度は熱い方である
  8. ・勃起しにくい
  9. ・糖尿病を患っている
  10. ・ジーンズは細身でぴったりとしたものをよく穿き、ブリーフの下着を使用している
  11. ・糖尿病を患っている
  12. ・抗がん剤治療、下腹部に放射線治療を受けたことがある
  13. ・子供の頃鼠径ヘルニアの手術、停留睾丸の手術を受けたことがある

 

また、男性不妊のセルフチェックは、検査を行わずに男性不妊かどうか調べて、早期発見・早期治療を行うことができます。

 

今回の記事を参考に、男性不妊について理解を深めてみてください。

投稿者: いくたウィメンズクリニック

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