「2人目不妊」という言葉をあなたは知っていますか?
2人目不妊とは、医学的には続発性不妊と言います。「1人目はすんなり授かることができたのに、2人目の妊娠がなかなかできないこと」を指します。
この記事では、2人目不妊の原因や対策について解説します。
2人目不妊とは?
1人目が自然妊娠で出産した場合でも、その妊娠・出産の時と比べると環境も身体も変わっています。
1人目の子供が産まれた後に、2人目の妊娠を希望して、避妊せずに性交渉があっても、1年以上妊娠することがなかった場合、「2人目不妊」と判断してよいでしょう。
2人目妊活特有の悩み
2人目妊活の悩みは、1人目の妊活とはまた異なった悩みがあります。
それは、年齢や身体の変化に加えて、1人目の育児を並行しながらの妊活になるため、パートナーとタイミングが合わなかったりして、セックスの機会がなかなか持てないといったこともあるようです。
2人目不妊になってしまう原因は?
2人目不妊には、人それぞれ異なった原因があります。
原因が1つとは限らず、「いくつかのことが重なって2人目不妊の状況を招いた」ということもあるでしょう。
ここでは、2人目不妊の原因について解説します。
年齢の変化
晩婚化が進んでいる影響もあるのか、1人目の出産をする母親の平均年齢は年々上がりつつあり、2021年の厚生労働省の統計によると「30.9歳」という結果でした。
そのため、2人目を望む時には母親の年齢が早くて32歳、子育てに手間取っていると35歳を超えているケースが多くなっています。
男性も加齢やストレスによって、精子をつくる機能や精子の運動性、数が徐々に低下してきますが、死ぬまで精子を作っています。一方女性は加齢によって卵子が老化してくるのですが、35歳辺りから一気にすすんできます。そういった男女の加齢がなかなか妊娠しないことに影響しています。
また、女性は加齢によって子宮筋腫や子宮内膜症といったトラブルも起こりやすくなり、35歳を過ぎると妊娠率は減少、妊娠しても流産の確立は高くなります。
子宮・卵管環境の変化
1人目を出産した後の子宮内感染や、流産手術を受けたことで、子宮や卵管に炎症を起こし、それが子宮因子や卵管因子の不妊につながるというケースもあります。
一人目出産後の体の変化
出産の際に大量に出血を経験したことで、脳のすぐ下にぶらさがっている脳下垂体というホルモンの分泌の中継地点に障害が起こり、ホルモンの分泌異常が起こり、不妊症となるごく稀なケースもあります(シーハン症候群)。
もともと不妊だった
もともと妊娠しにくい条件があったのに、「その時、たまたま好条件が重なり運良く1人目を授かることができた」という場合もあります。
本来は妊娠しにくい条件があるので、2人目がなかなか妊娠できないことが考えられます。
パートナーの変更
今や離婚、再婚は珍しいことではありません。
1人目を出産した後、パートナーが変わることで不妊となる場合もあります。
すでに1人子供がいる場合は、相手側に不妊の原因があると思いがちですが、相手が変わることによって、お互いの「妊娠するための条件がうまく合わずに、子供ができない」という場合もあります。
一人目出産後のセックスレス
性交渉の機会が減れば、当たり前ですが妊娠のチャンスも減ります。
「1人目の妊娠を機に性生活が変わってしまった」という方も少なくないようです。
小さな子供のいる生活は忙しく、慣れない育児と家事に加え仕事の多忙さも重なり「育児や仕事に追われているうちに、性生活がなくなった」等、性生活が変化し、セックスレスの傾向にあるという夫婦も多いようです。ご主人が40歳になっており一人子供がいる場合にはご夫婦が月に1度も性行為のないセックスレスとなっているご夫婦が50%を越えるというデータもあります。女性の理由は最も多いのが「面倒くさい」、「特に必要と思わない」で、男性の最も多い理由は「仕事で疲れている」、「特に必要と思わない」です。あてはまっていたりしませんか?こういうご夫婦では月に一回排卵日辺りに性行為がある程度になっています。これではなかなか妊娠しません。
痩せすぎや肥満
痩せすぎや肥満も不妊の原因の一つになります。
肥満になると月経周期が不安定になってしてしまうことが分かっていますし、痩せすぎもまた栄養不足の面から卵巣が正常に機能しなくなることがあります。
2人目不妊の対策は?
2人目の妊娠を希望するなら、治療を始める前、または始めるとともに、夫婦で生活スタイルを見直すことを考えてはいかがでしょうか。
ここでは、治療とは違った日常生活の中で取り組めることをご紹介します。
まずは出来る生活改善を
もしも、喫煙習慣があるなら見直すことをおすすめします。
なぜなら、男性の喫煙は精子を作る機能や勃起不全の発症に影響を及ぼすといわれているからです。
女性の場合には、卵巣の老化を促進させ、流産の恐れを高めるおそれがあります。
また、アルコールの摂りすぎにも注意が必要です。
少量のアルコールは血液の流れを促進したりしますので影響はありませんが、過度のアルコールは男性ホルモンの分泌を低下させますし、精子の形成に必要なミネラル(特に亜鉛の過剰排泄を起こします)やビタミンを減少させてしまいます。実際に接種日数が多くなると精液料、正常形態率が低くなるという報告もされています。女性に対しては必ずしも一定の見解はありませんが、過料になれば良いとはいえません。
栄養バランスの摂れた食生活
栄養バランスの良い食生活を心がけることで、健康な身体を維持することもできます。
食生活の乱れは肥満や身体の栄養不足、免疫力の低下を招く恐れがあります。
直接的に妊娠につながらなくても、心身の状態が良いにこしたことはありません。
身体を冷やさない
冷えは血流の悪さもともない、身体のさまざまな不調の原因となりますし、妊娠にも大きな影響を及ぼします。
「冷える」という言葉から冬をイメージするかもしれませんが、夏も冷房や冷たい飲み物などで身体を冷やしやすい傾向にあります。
もし、身体の冷えを自覚しているなら、今からでも温活を意識して改善していきましょう。
ストレスをためない
ストレスは妊活にも良くありません。
ストレスの緩和に睡眠は重要な役割を果たします。
なぜなら、睡眠には「身体を休ませる」という役割のほかに、「脳を休ませる」という役割もしてくれるからです。
睡眠中は細胞を回復させてくれるだけでなく、自律神経に休息を与えてリラックスさせてくれるので、ストレスが緩和されます。
2人目不妊の治療とは?
検査
まずは不妊の原因を見つけるために検査を行います。
女性は、基礎体温チェック、血液検査、性感染症の検査や経膣超音波検査などを行います。
一方、男性は精液検査や感染症検査を行います。
タイミング法
次に、予測した排卵に性交のタイミングを合わせる「タイミング法」が行われます。
排卵の予測は、基礎体温に加えて、超音波による卵胞の大きさチェックや血液検査、尿検査などのデータが活用されます。
排卵誘発法
排卵誘発法は、内服薬や注射で卵巣を刺激して排卵を起こさせる方法です。
先述のタイミング法のように排卵日を探していってタイミングを取ります。
人工授精
人工授精は、排卵日に注入器で精子を子宮内に送り込む方法です。
夫の精子を注入する「配偶者間人工授精(AIH)」と、夫以外の人から提供された精子を注入する「非配偶者間人工授精(AID)」の2つがありますが、一般的にまずAIHしかおこなわれておりません。
体外受精
体外受精とは、卵子を体外に取り出して、精子との間で受精させ、培養し、できた受精卵を子宮内に移植する方法です。
具体的には、排卵誘発剤を注射して多くの卵胞発育を促した後、膣から細い針を入れ卵巣から卵子を吸引し、用意した精子と一緒に培養して、受精させます。極めて精液所見の悪句、以前ならばお子さんを持つことは不可能とされてきたような場合でも、精液中に動いている精子さえいれば、顕微授精という方法で受精卵を作ることができます。活発で形態の異常が無く元気な精子を捕まえてきて、卵子に注入して授精させる方法です。
特にこれといった異常が検査で見つからなければ不妊治療は段階的に行われていきますが、年齢や不妊の原因によっては早い段階で体外受精を勧められる場合もあります。
妊活するなら温活
昔から「冷えは万病のもと」といわれています。
もちろん妊活にとっても「冷え」はよくありません。
ここでは、冷えが妊活に及ぼす影響と温活について解説します。
冷えは妊活の敵
冷えると身体にいろいろな不調を引き起こしますが、もちろん妊活にとっても冷えは大敵です。
冷えが妊活に良くないといわれる理由には、以下の主に3つがあげられます。
子宮環境にも悪影響
冷えが著しくなると全身の末梢血管の血液の流れが悪くなります。子宮や卵巣への血流が滞りがちになってしまいます。
毛細血管の血流が悪くなり子宮内膜の中の血流が悪くなると着床や着床後の胚の発育に影響が出る可能性が有ります。着床した胚は子宮内膜に潜り込み、その中で毛細血管を壊して吹き付けてくる血液の中から栄養分を摂取して育ってきます。胚からすると子宮内膜はふかふかのベッドで無ければいけないのです、
血行&代謝が悪くなる
血行が悪いと、葉酸や鉄分、亜鉛などの妊活に良い栄養素を積極的に摂取したとしても、体内にいきわたらなくなってしまいます。
また、血行が悪いと体温も低下するので、身体の代謝も悪くなってしまい、脂肪燃焼もされにくくなるため、肥満につながりやすくなります。
太りすぎはホルモンバランスや生理の周期も乱れやすく、月経異常や月経不順になりやすいため、妊活にもよくない影響を及ぼしかねません。
免疫力が低くなる
体温が1℃下がると免疫力が30%下がるといわれています。
妊娠しやすい身体に整えておくためには、免疫力を維持することも大切です。
免疫力が低下してしまうとウイルスや風邪に対する抵抗力が弱くなるため、体調を崩して妊娠のタイミングを逃してしまうことにつながります。
温活の方法
ここからはあまり医学的な話で無く、一般的に言われているような事柄です。そのつもりでお読みください。
冷えから身体を守る、または冷えを改善する「温活」について、おすすめの方法をご紹介します。
「冷えている」という自覚がなくても、ぜひ取り入れてみてください。
代謝を上げる食べ物を積極的に摂取
身体の代謝を上げると身体の熱もアップします。
そのためにも代謝を上げるといわれる食べ物を積極的に摂りましょう。
また、冷たい食べ物や飲み物は内臓を冷やし、身体を冷やします。
たとえ真夏であっても、摂りすぎは低体温につながるため避けましょう。
<身体を温める食べ物>
生姜、根菜類、玉ねぎ、ねぎ、にんにく、らっきょう、納豆、チーズ
<身体を温める飲み物>
紅茶、ルイボスティー、三年番茶、生姜湯、甘酒
程よく汗が出るほどの入浴
身体全体を温めるのに効果的なのが「入浴」です。
つい簡単にシャワーで済ませてしまいがちですが、熱めのシャワーで身体を温めても表面が温まるだけなので、身体の芯からは温めることはできません。
38度~40度くらいのお湯に15分程度浸かり、じんわりと汗ばむほど入浴することが大切です。
数分浸かるだけでは温まらないので、15分程度を目安にしましょう。
また、足裏やふくらはぎなどをマッサージすると血流や代謝が良くなるのでおすすめです。
適度な運動
運動も身体の体温をすぐに上げることができる方法の一つです。
ジョギングやウォーキング、ストレッチやヨガなど、好みに合った運動を取り入れて、身体がポカポカと温まる程度に身体を動かすことを習慣化しましょう。
特に身体の中で大きな筋肉がある下半身をたくさん動かすことで、効率的にエネルギーを使うので代謝アップになるほか、筋力をつけることができます。
下半身を中心に温める
下半身の冷えは、子宮や卵巣の冷えに直接影響を及ぼします。
特に30代以上になると、血流が滞りやすく、デスクワークなどによって凝り固まった筋肉が、さらに冷えを悪化させてしまいます。
下半身には熱を生み出す筋肉の70%が集まっているため、集中的に下半身を温めることが重要です。
腹巻、発熱タイツなど薄手のインナーは体温調節がしやすく、アウターにもひびきにくいので上手に取り入れてみてください。
おすすめ温活グッズ
身体を冷えから守るために、温活グッズは欠かせないアイテムです。
ここでは、おすすめの温活グッズをご紹介します。
腹巻
腹巻は、薄さ、厚さ、素材や長さや形状など、豊富な種類が販売されています。
冬に利用される方が多いイメージですが、冷房が効いている夏も愛用者が多いアイテムです。
数ある腹巻の中で、アウターにひびかない薄さでありながら、保温性に優れたアイテムという点でシルク素材の腹巻がおすすめです。
腹巻は優しい温かさでじんわりとお腹を温めてくれるので、ぜひ取り入れて欲しい温活グッズです。
カイロ
冬に使われることが多いカイロも、はずせない温活グッズの一つです。
悪寒を感じた時は肩甲骨の間に使ったり、身体全体を温めたい時は仙骨のあたりやおへその下にある丹田を温めると効果的です。
肩こりや頭痛を感じる方は肩や首、背中を温めると血行がよくなり、ラクになります。
布ナプキン
布ナプキンは体温を保ってくれるので、子宮の冷えも解消されるようです。
子宮の冷えは血液循環を悪くし、冷えにつながりますので、布ナプキンで温めることで生理痛の緩和が期待できます。
靴下
身体の末端である足先が冷えやすい人にとくにおすすめなのが靴下です。
冬だけでなく、夏場も足の冷えを感じる人は靴下で冷やさないようにしてください。
靴下を重ね履きすると温かさがアップしますし、5本指靴下や足裏用のカイロを使用するのも良い方法です。
保温性の高い特殊な繊維で作られた靴下もあるので、色々試してみると良いでしょう。
サプリメント
栄養バランスの乱れも冷え体質につながります。
栄養を補うサプリメントを利用するのも良いですし、身体を温める温活のサプリメントや、腸内環境を整えて免疫力をアップする腸活サプリメントなどもおすすめです。
まずは自分でできることから
2人目不妊の原因と対策、治療などについて解説してきました。
早めに治療を始めることも大切ですが、食生活の改善や適度な運動、温活など、自分にできることも並行して取り入れてみたいと感じたなら、参考にしてみてください。