男性不妊のセルフチェックについて知りたいと悩んでいませんか?
この記事では「男性のセルフチェック」について紹介していきます。
結論、男性不妊のセルフチェックは、男性不妊と関係するような項目が当てはまるかどうかをチェックすることにより
男性不妊の早期発見・早期治療にもつなげられる可能性があります。
他にも「男性不妊の原因」や「男性不妊の治療方法」についても解説します。
ぜひこの記事を参考に、男性不妊のセルフチェックについて理解を深めてみてください。
また「卵管障害(卵管通過障害)」について知りたい方は、こちらにて解説を行っていますので、ぜひ参考にしてみてください。
男性不妊のセルフチェックとは?
男性不妊のセルフチェックは、検査を行わずに男性不妊かどうか調べて、早期発見・早期治療を行えます。
具体的な男性不妊のセルフチェックの項目については、以下が挙げられます。
- ・挿入・射出ができない
- ・陰毛が少ない
- ・陰嚢の腫れや熱感を感じる
- ・陰嚢に痛みを感じる
- ・陰嚢の左右サイズに違いがある
- ・喫煙をしている肥満気味
- ・サウナによく入る・風呂の温度は熱い方である
- ・勃起しにくい
- ・糖尿病を患っている
- ・ジーンズは細身でぴったりとしたものをよく穿き、ブリーフの下着を使用している
- ・糖尿病を患っている
- ・抗がん剤治療、下腹部に放射線治療を受けたことがある
- ・子供の頃鼠径ヘルニアの手術、停留睾丸の手術を受けたことがある
上記の項目に当てはまっている方は、男性不妊の可能性が高かくなりますので、少しでも気になる方はなるべく早く医療機関で診断を受けるようにしましょう。
男性不妊の原因
具体的な男性不妊の原因については、以下のとおりです。
精液所見の表現方法からでは、大まかに
- 無精子症--------精液中に精子がみあたらない
- 精子無力症-----運動している精子が基準値以下(2021WHO基準では42%が正常下限)
- 奇形精子症-----正常形態率が基準以下(2021WHO基準では4%が正常下限)
- 無力奇形精子症--前進運動と正常形態精子が基準以下
- 乏精子症--------総精子数が基準以下(2021WHO基準では42%が正常下限)
それぞれの原因について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
無精子症
無精子症とは、精液の中に精子が全く無い状態を指します。
2回精液検査で2回とも精子を確認できない場合に、無精子症の診断となり、割合は男性100人に1人の割合とされています。
具体的に無精子症は、大きく分けて以下2つに分けられます。
分類 | 原因 |
・閉塞性無精⼦症 | 何らかの原因で精子の通り道が閉塞してしまい、精子が出てこられない状態を指します。原因は過去に精路に炎症が起きてしまったり、生まれつき閉塞していたりするなどが挙げられます。精巣は正常なので、手術によって男性不妊は改善できます。 |
・⾮閉塞性無精⼦症 | 精子を作る能力が低下してしまった状態を指します。原因としては、Y染色体微小欠失やクラインフェルター症候群、放射線治療などが挙げられますが、原因不明な箇所は多くあります。外科的な処置や手術が必要になりますが、精巣上体や睾丸内の組織から精子が得られれば、その精子を使用して顕微授精は可能です。 |
上記のように、無精子症の原因は幅広く、原因がはっきりしてないケースもあります。
精子無力症
精子無力性は、動いている精子が少ないために、卵子のところまで行き着くのが難しく、受精がおこりにくい状態を指します。
通常の場合は、60~80%が動きな活発な精子がありますが、40%以下になると精子無力症という診断になります。
基本的な原因は未だ明らかではありませんが、環境ホルモンなどの有害物質、内分泌攪乱物質などが影響しているとも言われています。
精液の所見は、食生活や生活習慣、ストレスなどの要因によっても変化するので、ビタミン剤や漢方、亜鉛などを摂取したり、生活改善などの治療が行われます。
受精が実際に起こるか否かは予測できず、体外受精を行っても受精が起こらなければ顕微授精などによって、受精させることが可能です。
乏精子症
精液中の精子の数が少ない状態を指し、性染色体Xが過剰のクラインフェルター症候群などのほかに、Y染色体の微小欠失の存在のような遺伝的な要因や精巣静脈瘤、
おたふく風邪、薬剤の服用、放射線の被曝などさまざまなものが原因なりますが、原因の分からない場合が大部分をしめます。
睾丸が小さく比較的柔らかであれば精子を作る機能が障害されている(造精機能障害)可能性が高く、正常の大きさならば精子を送り出す通路の狭窄が考えられます。
治療方法は、原因により異なりますが、精巣静脈瘤の手術以外は、精液所見を正常化させるのは難しいです。
精子数が少ない場合の造精機能障害について
造精機能障害は、精子を作る機能が低下することを指し、男性不妊の約8割が造精機能障害とされています。
原因については、精巣内の血流悪化や活性酵素の増加、低酸素状態などが原因とされていますが、ほとんどが原因不明です。
根本的な治療方法はありませんが、漢方やサプリメントなどが挙げられます。
また、改善が見られない場合には、人工授精や顕微鏡受精、精巣内精子採取術(TESE)などによって、妊娠を目指すことが可能です。
ED
EDとは、勃起不全とも言われており、勃起が起こらなかったり勃起状態が維持できないので、性行為を行うのが難しい状態を指します。
一人ひとりの状態によって異なりますが、大きく分けると4つの原因に分類されます。
分類 | 原因 |
・薬剤性ED | 内服している治療薬の副作用が原因によってEDが引き起こされている状態を指します。主に、前立腺肥大症の治療薬や抗うつ薬などが原因とされています。年齢に関係なくEDを引き起こしてしまうので、年齢によってEDになってしまっていると勘違いしている方も少なくありません。 |
・心因性ED | 日常生活におけるストレスやトラウマなどの精神的ストレスが原因でEDになっている状態を指します。性行為に興味がなかったり、性欲が沸かないなども心因性EDに分類されます。 |
・器質性ED | 血管の動脈硬化や神経の障害などが原因でEDが引き起こっている状態を指します。年齢を重ねると血管は老化し、EDの症状を自覚する方が多いのも事実です。 |
・複合型ED | EDの原因が特定できず、薬剤性ED・心因性ED・器質性EDが複合してEDが引き起こっている状態を指します。普段からストレスを溜めないように注意したり、バイアグラなどの治療薬も有効に働きます。 |
上記のように、EDを引き起こす原因は幅広くあり、主治医の先生に診療してもらい、効果的な治療の実施をおすすめします。
男性不妊の検査方法
男性不妊の検査方法については、主に以下が挙げられます。
- ・精液検査
- ・泌尿器科的検査
それぞれの検査方法について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
精液検査
精液検査は、泌尿器科や自宅などで精液を採取して、精液の状態を調べる検査方法を指します。
具体的な精液検査のチェック項目については、以下が挙げられます。
検査項目 | 基準値 |
・精液量 | 1.4ml以上 |
・精子濃度 | 1600万/ml以上 |
・総精子数 | 3900万/ml以上 |
・前進運動率 | 30%以上 |
・総運動率 | 42%以上 |
・正常精子形態率(厳密な検査法で) | 4%以上 |
引用元:2021年WHO
上記のように基準値が定められていますが、これは世界中の男性の精液の精液所見の基準値であって妊娠しやすさの目安ではありませんので注意が必要です。
また、自宅で精子の観察ができる様々なキットが販売されておりますが、使ったことはありませんので評価は差し控えます。
泌尿器科的検査
泌尿器科的検査は、勃起や射精の状態確認や、精巣サイズの測定・外陰部の診察などの触診を指します。
その他の泌尿器科的検査については、以下が挙げられます。
泌尿器科的検査の種類 | 内容 |
---|---|
・超音波検査 | 陰嚢にエコープローブを当てて、異常な腫瘤が無いかの検査を行い、静脈瘤の存在を確認します。 |
・内分泌検査 |
精液検査結果の悪い場合、血液中のテストステロンやプロラクチンなどを調べて 問題があれば治療により性機能障害などの改善に繋がることが有ります。 |
・染色体・遺伝子検査 |
精子数が少ない場合でも検査が可能です。染色体に異常がある割合は3~12%と言われています。 この異常は治療することはできません。 |
病院によっては、MRIや勃起能力を調べる検査などの特殊な検査を行うケースもあるので、事前に確認しておきましょう。
男性不妊の治療方法
男性不妊の治療方法については、主に以下が挙げられます。
- ・GnRH療法
- ・下垂体ゴナドトロピン療法
- ・クロミフェン法
それぞれの治療方法について解説します。
GnRH療法
GnRH療法は、GnRH(ゴナドトロピンリリーシングホルモン)を持続的な投与によって、
下垂体からFSH,LHを分泌させる方法で、高価で有り煩雑なので実際には行われません。
下垂体ゴナドトロピン療法
下垂体ゴナドトロピン療法とは、精子の産生を促進して、ゴナドトロピンを補充する治療方法を指します。
ゴナドトロピン低下症などが原因で、造成機能が低下してしまっているケースに適用されます。
通院の頻度高くなりお金もかかりますが、診断が確定すれた公費の補助もあります。
薬物療法の中で、もっとも効果が高い治療方法です。
クロミフェン法
クロミフェン法とは、女性では排卵を起こす時使用される薬剤のクロミッドを服用していただく方法です。
基本的には、1日1/2錠を数ヶ月服用し続けます。ビタミンEと併用されることも多く男性ホルモン値が低値の場合、
6ヶ月以上服用してしまうと、精細胞に異常や医療障害などが見られるので、あらかじめ注意が必要です。
男性不妊になりやすい人の特徴
男性不妊になりやすい人の特徴については、主に以下が挙げられます。
- ・喫煙をする
- ・飲酒する
- ・食生活が乱れている(肥満である)
- ・サウナや長風呂が好きな人
- ・普段運動をしていない
それぞれの特徴について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
喫煙をする
喫煙をしている方は、精子形成や運動率に大きな悪影響を与えてしまいます。
実際に、喫煙者と非喫煙者の精子の数の比較で、喫煙者では約15%も減少していたという研究結果もあります。
その他にも、勃起不全の増加やDNAの損傷率の増加などが挙げられ、最悪の場合には、奥さんの受動喫煙により、
不妊、流産の頻度が高くなったりするという報告が見られます。
最近の電子たばこなどでも血液中テストステロンは変わらなくても精子数が減少するという論文があります。
飲酒する
飲酒をしてしまうと、体内に毒性の高いアセトアルデヒドという物質が過剰に発生し、精子を作る力が弱くなってしまうリスクがあります。
さらに、射精障害や勃起障害を引き起こしてしまうリスクもあります。
しかし、適度なアルコール量であれば、興奮効果で勃起力の向上につながります。
食生活が乱れている
食生活が乱れて肥満になってくると、中枢からのホルモン分泌が乱れ、
精液所見の精子数や運動率などに悪影響を及ぼしてしまうという論文が有ります。
逆に痩せすぎも影響されるというデータもあります。
明確な確定的な見解はありませんが、ほどほどの体重を維持するような食生活が大事なのは言うまでもありません。
サウナや長風呂が好きな人
ウナや長風呂は、疲労回復やリラックス効果などのメリットが挙げられますが、睾丸の温度が上がってしまい、精子の質を下げてしまうデメリットが挙げられます。
サウナに継続的に通ってしまうと、精子の量や質が落ちてしまい、元の状態に戻るには、半年以上かかってしまうという研究結果もあります。
睾丸の精子を作るのに最適な温度は、約33度と言われていて、このために睾丸は体の外に出ていて、睾丸を入れている陰嚢は伸び縮みして車のラジエターの効果を発揮しているのです。
妊活をしている方は、なるべくサウナはもちろん、長風呂を控えるようにしましょう。
普段運動をしていない
適度な運動の持続は、抗酸化物質を増加させ、精子数、運動率を向上させ、精液状態を良好に保ちますが、激しい運動をしてしまうと逆に精液所見を悪化させる可能性があります。
詳しいメカニズムは明らかではありませんが、組織内の活性酸素などの酸化ストレス溜まるのが影響するのでしょうね。
いずれにしても適度な運動を継続して行うように心がけましょう。
男性不妊について理解を深めよう!
今回は、男性不妊について知りたい方に向けて、男性不妊のセルフチェックや男性不妊の治療方法を紹介しました。
男性不妊のセルフチェックの項目については、以下が挙げられます。
- ・挿入・射出ができない
- ・陰毛が少ない
- ・陰嚢の腫れや熱感を感じる
- ・陰嚢に痛みを感じる
- ・陰嚢の左右サイズに違いがある
- ・喫煙をしている肥満気味
- ・サウナによく入る・風呂の温度は熱い方である
- ・勃起しにくい
- ・糖尿病を患っている
- ・ジーンズは細身でぴったりとしたものをよく穿き、ブリーフの下着を使用している
- ・糖尿病を患っている
- ・抗がん剤治療、下腹部に放射線治療を受けたことがある
- ・子供の頃鼠径ヘルニアの手術、停留睾丸の手術を受けたことがある
また、男性不妊のセルフチェックは、検査を行わずに男性不妊かどうか調べて、早期発見・早期治療を行うことができます。
今回の記事を参考に、男性不妊について理解を深めてみてください。