コラム

2023.06.11更新

赤ちゃんを望んでいるのになかなか自然妊娠できなかった場合、不妊治療を検討するカップルが多いですが、気になるのは成功率だと思います。

40歳を超えてから不妊治療を始めようと考えている方は特に不安な気持ちが強いですよね。

この記事では、不妊治療の成功率と成功率を上げるためにできることをお話しします。

結論として、不妊治療に関係なく加齢とともに妊娠率は低下していき、40歳以降は不妊治療を受けても子どもを授かる可能性は急激に低くなってしまいます。

高齢で妊娠をしても様々なリスクがあるので、これから説明する内容をぜひご確認ください。

もちろん、40代で妊娠・出産することは可能なので、妊娠の成功率を上げるためのポイントをおさえて赤ちゃんができやすい身体を目指しましょう。

 

不妊とは

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そもそも不妊というのは、日本産科婦人科学会では「妊娠を望む健康な男女が避妊をせず性行為をしているにも関わらず、一定期間妊娠しないもの」というように定義しています。

そのことから妊活から1年を過ぎても授からなかった場合に、不妊治療を検討するカップルが多いのが現状です。

 

不妊の原因

 

「不妊の原因は女性側にある」と捉える人は多いのですが、WHOの調査ではの調査では原因として分類すると約半分は男性側にも問題が見つかります。
不妊の原因となるものを詳しく説明します。
不妊治療はどちらかだけではなくカップルで取り組む必要があることを知っておきましょう。

 

不妊の原因〜男女両方〜

 

不妊の原因として男性、女性ともに「加齢」による影響が考えられます。


卵子は年齢とともに卵子の染色体異常の発生率が高くなります。特に35歳を超えてくると異常の率が高くなっていき、38歳を超えると急激に異常率が上昇します。またこのような染色体の異常とも関連するのですが、卵子細胞の活力も低下します。精子も加齢とともに少しずつ機能が低下してきます。 このようなことから妊娠しづらくなってしまうのです。


他にも「精神的ストレス」によって、間接的にそれぞれの機能が低下する可能性もあります。

 

不妊の原因〜女性側〜

 

不妊になる女性側の原因で多いのはこちらです。

  • ・排卵因子(排卵をコントロールしている調節機構の異常)
  • ・卵管因子(卵管の一部に閉塞している部分があって、精子と卵子が出会わない。または卵管が癒着などで引きつってしまっていて自由に動けなくなっている)
  • ・子宮因子(子宮筋腫や子宮内膜ポリープなど子宮の問題)
  • ・頸管因子(粘液分泌の不具合による)

様々な検査を行っても不妊原因が分からないこともあり、「原因不明性不妊」と呼ばれます。

 

不妊の原因〜男性側〜

 

不妊になる男性側の原因で多いのはこちらです。

  • ・造精機能障害(精子をつくることができにくい)1998年の厚生労働省の調査で83%
  • ・精子通過障害(精子が卵子まで運ばれない)3.9%
  • ・性交・射精障害(勃起できない・膣内で射精できない)13.5% 現在では3倍くらい増加とも言われる

不妊の原因が分かると今後の治療計画がスムーズにいきます。

不妊原因を調べる検査は女性だけではなく男性側も受ける必要があります。

 

不妊治療とは

 

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不妊治療というのは、妊娠を希望しているにもかかわらずなかなかできない方が、不妊の原因に合わせて行う治療のことです。


これまでは、不妊の原因を明確にするための検査や症状の治療には保険が適用されていましたが、人工受精や体外受精などの治療は保険適用外となるため高額な治療費が請求されていました。


しかし、2022年4月から保険の適用対象が広がり、体外受精(保険診療の対象年齢がありますが)を初めとして不妊治療のほぼ全体保険診療の対象となり、先進医療費を除く保険診療分に対して医療機関で支払う自己負担分が原則3割負担となったため、これまで躊躇していた方達でも始めやすくなっています。また高額療養費制度も有り、1月の保険診療自己負担支払い金額の上限が所得収入に応じて決まっていますので、保険組合にお問い合わせいただくか厚生労働省のホームページでも確認できます。

 

40歳以上の不妊治療の成功率は低い

 

不妊治療をする人の数が増えていることや技術の進歩により、不妊治療での妊娠率は年々上昇傾向にあります。

しかし、自然妊娠と同様、不妊治療においても加齢とともに妊娠率は下がってしまいます。

具体的に言われているのが、35歳以降になると急激に妊娠率が下がるということです。

40代の方が不妊治療を行った場合の出産に至る確率は以下の通り。(厚生労働省 「不妊治療における年齢別の出産率と流産率」)

 

年齢出産率
40歳 7.7%
41歳 5.3%
42歳 3.7%
43歳 2.0%
44歳 1.3%
45歳 0.6

 

40歳以上でも妊娠する確率はゼロではありませんが、不妊治療をしたからといって誰でも必ず妊娠・出産に至るとは限らないということを現実として受け止めておきましょう。

 

不妊治療の方法

 

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不妊治療の方法は一つではありません。


一般的には検査結果により選択される治療方法で妊娠しなかった場合に、治療方法のステップアップを提案致します。しかし、それを選択されるか否かはご夫婦の意志に依ります。

不妊治療の主な方法とその特徴について説明します。

 

タイミング法

 

タイミング法は、医師が排卵日を推定し、妊娠しやすい日時に性交渉するタイミングを指導して妊娠を図る方法で、対象となるのは今までタイミングをとってみえた時期と排卵日にずれがあるのでは無いかと思われるカップル、まだ避妊をされなくなってあまり時間がたっていないカップルです。もう既に1年以上経過してみえる、または女性の年齢が少々高めの方にはあまりお勧めしておりません。


超音波検査や血中ホルモン値などを参考にして排卵日の予測を行うもので、不妊治療の中では最も医療行為による身体的負担が少なくなります。


妊孕性のあるカップルでもタイミング方法における妊娠率は1周期で30%未満と言われています。不妊症である場合や、35~40歳を越えて不妊治療を始める女性が妊娠する確率はそれよりも低くなります。

 

排卵誘発法

 

排卵誘発法は、排卵誘発剤と呼ばれる内服薬や注射を用いて卵子の発育を促す方法で、排卵遅延や排卵障害がある場合に適用されます。

 

過排卵刺激法

 

排卵誘発は、人工授精や体外受精を行う際に、発育する卵胞を増やし複数の卵子を排卵させる目的として行われます。卵子の捕獲がうまくいっていないと考えられたり、毎月胃個だけ排卵される卵子が良質の正常な染色体卵子とは限りませんので、受精着床し分娩に至る良好な卵子を採取することができれば治療の成功率が上がるためです。

 

人工授精

 

人工授精とは、排卵の時期に合わせて100%運動良好な精子のみを回収した培養液を、子宮の入り口から細い柔らかいチューブを挿入し、子宮腔内の奥1cm程の部分に注入して受精を促す治療法です。


十分な数の精子が受精場所である卵管の7-8cmのところまで届いていないと考えられる場合に行われます。通常精子数や精子の運動率が悪い場合には第一選択となりますし、これといった異常の無い原因不明不妊症の場合で、子宮の入り口までは精子数は入っているけれども、子宮腔内を泳いでいるうちに卵管への入り口を見つけて入り込む確率が低いかもと装丁される場合に行います。

 

体外受精

 

体外受精は、一般不妊治療で妊娠に至らず卵管での受精が起こっていないと考えられる場合、卵子に体外へ出てきても らって、確実に受精を起こさせて、良好な発育を遂げている胚を子宮腔内に戻して着床を期待する治療です。


タイミング法や人工授精に比べて確実に受精を起こし良好に発育した胚のみを移植するために、40歳以上の女性で、この治療まで行うことを考えてみえる場合には、人工受精や過排卵刺激などの段階を早めに切り上げて体外受精を始めるケースも多いです。


体外受精での妊娠率は35歳を過ぎると急激に減少する傾向にあり、他の不妊治療の中でも1治療周期での妊娠率が高くなる治療法ではありますが、他の治療と同じように年齢が上がるほど妊娠は難しくなると言えます。

 

体外受精〜顕微受精〜

 

顕微受精は、体外受精で行う受精方法の一種で、卵巣から取り出した卵子に直接精子を注入する治療法です。


顕微鏡で確認しながら細い針を用いて精子を1匹だけ卵子に注入し、受精の手助けをします。


男性の問題点による場合は精液所見が悪く、精子の数が極めて少なかったり、運動している精子の率がかなり低かったり、精液所見は検査で良好であっても、実際に体外受精で卵子が受精しなかったりした場合などです。
この治療に関しては保険適応には年齢制限があり、43歳未満の間は3回まで胚移植までを保険の対象となりますが、その年齢を超えると全額自費となってしまいます。

 

40代は様々なリスクがある

 

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年齢を重ねるにつれ妊娠しづらくなるだけでなく、高齢妊娠・出産には様々なリスクがあるので知っておく必要があります。


40歳以上の妊娠で起こりやすい問題について説明します。

 

40代は流産の確率が高くなる

 

流産というのは、妊娠22週未満に妊娠経過が順調に進まず、胎児の発育が停止したり、出血が多くなったりして妊娠が終了してしまう事を言います。妊婦の年齢が上がるほど自然流産する確率が高くなるとされています。

妊娠初期の流産は、胎児の染色体異常など、赤ちゃん側の原因であることが多いですが、妊婦の年齢が高くなるほど受精する卵子の染色体異常が起こりやすくなるためです。

 

40代はダウン症の確率も高くなる

 

高齢出産ではダウン症などの染色体異常が起こる確率も高くなります。


年齢を重ねるにつれて先に書いたように染色体異常の卵子が出てくる確率が高くなりますが、染色体異常でも2本一組の染色体が、一本数が少ない場合には殆ど受精卵が育たずに消えてしまいます。しかし一つ多いタイプは妊娠反応が陽性になるところまで進んで、妊娠の初期に停止して流産となってしまいます。例えば16番目の染色体が1本多い3本有るタイプが一番多いのですが、このタイプは100%流産になります。従ってこの16番の染色体異常の赤ちゃんが生まれてくる可能性はありません。しかし21番目の染色体が3本有るタイプは7割が流産になりますが、3割が妊娠を継続し続けてしまい、産まれてきてしまいます。この21番目の染色体が3本有るのがダウン症の赤ちゃんだという事になります。


厚生労働省の「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」(2013年)によると染色体異常が起こる確率は、妊婦が25歳で1/1250、35歳で1/385、40歳で1/106、45歳では1/30と、年齢とともに上がっていき、40歳以降は急激に上昇します。

 

不妊治療に向けて試しておきたいこと

 

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高齢になると一般的に不妊治療の成功率が低くなるのは確かですが、個人差は大きく、いろいろ試してみてもよいかもしれないことはあります。


流産の原因は大部分を胎児の問題(染色体異常)が占めます。これは残念ながら予防方法も治療方法もありません。

 

早めに受診する

 

いくら様子を見ていても妊娠の可能性を低くするような以下の要因が存在している場合には、それを放置して様子を見ていれば、無駄に時間を費やしてしまい、年齢も上がるため妊娠できる確率がどんどん低下してしまいます。


女性の場合は、月経周期のホルモン分泌に影響するような異常がないか検査したり、卵管の通り具合が悪くなっていないか、精子が子宮入り口の粘液のなかに入っているかなどを調べます。

男性の場合は精液検査を行い、精液量や精子濃度、運動率、奇形率などを調べて自然妊娠が可能なレベルかを検査します。

早めに検査しておくことで、今後の治療計画が立てやすくなるでしょう。

 

自分たちにとって適切なクリニックを選ぶ

 

きちんと丁寧にわかりやすい説明をしてくれて、感覚的に自分の会っているなあと感じるクリニックを選び通うことが不妊治療成功の近道になるでしょう。不妊専門のクリニックでは待ち時間が1-2時間になることもよくあることを知っておく必要があります。

 

ホルモンバランスを整える

 

ホルモンバランスの乱れは不妊の原因にもなるので、乱れがちな日々の生活習慣や食生活を見直すことが大事です。


ホルモンバランスを良くし、順調な月経周期を維持することは、卵子と精子が出会い受精卵ができ、卵管の中を順調に運ばれてゆき、子宮腔内の内膜に着床するために重要ですので、休みの日などは十分に休養を取って、リラックスする時間を多くするように心がけていただきたいことです。

  • ・栄養バランスの取れた食事
  • ・良質な睡眠
  • ・ストレス解消
  • ・適度な運動
  • ・酒・タバコなどの嗜好品を控える
    特にたばこは治療を行っても、確実に妊娠率を低下させます。隣でご主人がたばこを吸って、その副流煙をすうだけでも妊娠率は低下します。いずれにしても妊娠してもたばこを止められなければ、流産、早産、死産、生まれてくる赤ちゃんの体重を200gくらい減らしてしまいます。妊娠中にたばこを吸う度に赤ちゃんの酸素濃度が低下して苦しがります。おなかの赤ちゃんの首を絞めているのと同じです。胎児虐待をしているのと同じです。また、生まれてから1年以内に赤ちゃんが突然呼吸を止めてしまって死亡してしまう乳幼児突然死症候群を言う確率も高くなります。

 

身体を温める

 

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冷えは身体の様々な不調につながると言われていますが、妊娠にどのように関わっているのかという科学的な証明はありません。しかし、妊娠を希望するあまり、毎日インターネットの中を探し回っているようでは、そのストレスにより末端の毛細血管は収縮してしまいます。このような全身での体温のアンバランスは、体が常に緊張状態になってしまっています。十分にリラックスする時間を取り、神経的な安らぎを増やして体全体の体温を均等に保てるようにして過ごしましょう。インターネットはほどほどになさってください。


身体を温める方法として有効な方法は以下の通りです。

  • ・代謝を上げる食べ物を食べる
  • ・シャワーではなく少しぬるめの湯船にゆっくりと浸かる
  • ・冬などはファッション中心の薄着にならないように腹巻、カイロなど市販のグッズを使う
  • ・軽い運動をする。自分を追い込むようなハードな運動は妊娠の可能性を低下させるという論文が複数あります。

 

身体を温めると血行や代謝が良くなり、子宮内膜の毛細血管の流れの改善も期待できますので注意してください。

 

肥満にならないよう気をつける

 

肥満は健康に悪影響を与えるのは周知のことではありますが、肥満によって妊娠率が低下することが論文で証明されています。


さらに、肥満であると妊娠した後も以下の妊娠中の合併症のリスクが増加し、胎児や母体の危険度が上昇するので大変危険です。特に年齢が高い妊娠では妊娠中に胎盤が剥がれてしまうことも起こりやすくなります

  • ・妊娠高血圧症候群
  • ・脂質異常症
  • ・妊娠糖尿病

肥満の解消も不妊治療の一つとして捉え、太り気味の方は運動や食生活の見直しなどを行い、適正体重を目指しましょう。

 

サプリメントをとり入れる

 

栄養不足の状態では健康な精子や卵子をつくるのは難しいので、妊娠しやすい身体づくりのためのサプリメント摂取は一つの選択肢でもあるかもしれません。


サプリメントは市販のものから医療機関でしか取り扱いのないものまであります。

インターネットで検索すると山のように出てきます。自己判断でサプリメントを過剰摂取してしまうと逆効果になる恐れがあるので、医師や薬剤師、管理栄養士などの専門家に相談するようにしましょう。

 

〇妊娠に欠かせない栄養素

  • ・葉酸
  • ・ビタミンE
  • ・亜鉛
  • ・鉄

 

不妊治療は一定の期間を経て妊娠に至らなければ躊躇せずに受診されて、基本的な検査を開始し、結果に応じての治療を早めに始めるのがおすすめです。

 

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不妊治療の心構えと成功率を上げるためできることについて解説しました。


年齢とともに胎児異常の発生率が高くなって妊娠する確率が下がっていき、たとえ妊娠したとしても流産やのリスクが高まるため、不妊だと感じたら早めに不妊治療を開始するのが望ましいです。

不妊治療はある程度の通院時間や費用がかかるうえに、体外受精をもってしても必ず妊娠するとは限りません。年齢を重ねてからの妊娠を希望される方はハードルが高く感じられ、精神的につらいときもあるかと思います。しかしながら、個人差が大きく作用してきます。受診されて、治療を開始してあっという間に妊娠されたりする方もみえます。通院してみようと決められたのであれば、前向きに明るい気持ちをお持ちになって受診されることが重要です。私の個人的な印象ですが、楽天的に構えてくよくよ考え込まない方のほうがさっさと妊娠されていくような気がします。

パートナーと将来の人生設計を含めて良く話し合って検討していただきたいです。

投稿者: いくたウィメンズクリニック

2023.06.11更新

「2人目不妊」という言葉をあなたは知っていますか?
2人目不妊とは、医学的には続発性不妊と言います。「1人目はすんなり授かることができたのに、2人目の妊娠がなかなかできないこと」を指します。

この記事では、2人目不妊の原因や対策について解説します。

 

2人目不妊とは?

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1人目が自然妊娠で出産した場合でも、その妊娠・出産の時と比べると環境も身体も変わっています。
1人目の子供が産まれた後に、2人目の妊娠を希望して、避妊せずに性交渉があっても、1年以上妊娠することがなかった場合、「2人目不妊」と判断してよいでしょう。

 

2人目妊活特有の悩み

 

2人目妊活の悩みは、1人目の妊活とはまた異なった悩みがあります。
それは、年齢や身体の変化に加えて、1人目の育児を並行しながらの妊活になるため、パートナーとタイミングが合わなかったりして、セックスの機会がなかなか持てないといったこともあるようです。

 

2人目不妊になってしまう原因は?

 

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2人目不妊には、人それぞれ異なった原因があります。
原因が1つとは限らず、「いくつかのことが重なって2人目不妊の状況を招いた」ということもあるでしょう。
ここでは、2人目不妊の原因について解説します。

 

年齢の変化

 

晩婚化が進んでいる影響もあるのか、1人目の出産をする母親の平均年齢は年々上がりつつあり、2021年の厚生労働省の統計によると「30.9歳」という結果でした。
そのため、2人目を望む時には母親の年齢が早くて32歳、子育てに手間取っていると35歳を超えているケースが多くなっています。

男性も加齢やストレスによって、精子をつくる機能や精子の運動性、数が徐々に低下してきますが、死ぬまで精子を作っています。一方女性は加齢によって卵子が老化してくるのですが、35歳辺りから一気にすすんできます。そういった男女の加齢がなかなか妊娠しないことに影響しています。

また、女性は加齢によって子宮筋腫や子宮内膜症といったトラブルも起こりやすくなり、35歳を過ぎると妊娠率は減少、妊娠しても流産の確立は高くなります。

 

子宮・卵管環境の変化

 

1人目を出産した後の子宮内感染や、流産手術を受けたことで、子宮や卵管に炎症を起こし、それが子宮因子や卵管因子の不妊につながるというケースもあります。

 

一人目出産後の体の変化

 

出産の際に大量に出血を経験したことで、脳のすぐ下にぶらさがっている脳下垂体というホルモンの分泌の中継地点に障害が起こり、ホルモンの分泌異常が起こり、不妊症となるごく稀なケースもあります(シーハン症候群)。

 

もともと不妊だった

 

もともと妊娠しにくい条件があったのに、「その時、たまたま好条件が重なり運良く1人目を授かることができた」という場合もあります。
本来は妊娠しにくい条件があるので、2人目がなかなか妊娠できないことが考えられます。

 

パートナーの変更

 

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今や離婚、再婚は珍しいことではありません。
1人目を出産した後、パートナーが変わることで不妊となる場合もあります。

すでに1人子供がいる場合は、相手側に不妊の原因があると思いがちですが、相手が変わることによって、お互いの「妊娠するための条件がうまく合わずに、子供ができない」という場合もあります。

 

一人目出産後のセックスレス

 

性交渉の機会が減れば、当たり前ですが妊娠のチャンスも減ります。
「1人目の妊娠を機に性生活が変わってしまった」という方も少なくないようです。

小さな子供のいる生活は忙しく、慣れない育児と家事に加え仕事の多忙さも重なり「育児や仕事に追われているうちに、性生活がなくなった」等、性生活が変化し、セックスレスの傾向にあるという夫婦も多いようです。ご主人が40歳になっており一人子供がいる場合にはご夫婦が月に1度も性行為のないセックスレスとなっているご夫婦が50%を越えるというデータもあります。女性の理由は最も多いのが「面倒くさい」、「特に必要と思わない」で、男性の最も多い理由は「仕事で疲れている」、「特に必要と思わない」です。あてはまっていたりしませんか?こういうご夫婦では月に一回排卵日辺りに性行為がある程度になっています。これではなかなか妊娠しません。

 

痩せすぎや肥満

 

痩せすぎや肥満も不妊の原因の一つになります。
肥満になると月経周期が不安定になってしてしまうことが分かっていますし、痩せすぎもまた栄養不足の面から卵巣が正常に機能しなくなることがあります。

 

2人目不妊の対策は?

 

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2人目の妊娠を希望するなら、治療を始める前、または始めるとともに、夫婦で生活スタイルを見直すことを考えてはいかがでしょうか。
ここでは、治療とは違った日常生活の中で取り組めることをご紹介します。

 

まずは出来る生活改善を

 

もしも、喫煙習慣があるなら見直すことをおすすめします。
なぜなら、男性の喫煙は精子を作る機能や勃起不全の発症に影響を及ぼすといわれているからです。
女性の場合には、卵巣の老化を促進させ、流産の恐れを高めるおそれがあります。

また、アルコールの摂りすぎにも注意が必要です。
少量のアルコールは血液の流れを促進したりしますので影響はありませんが、過度のアルコールは男性ホルモンの分泌を低下させますし、精子の形成に必要なミネラル(特に亜鉛の過剰排泄を起こします)やビタミンを減少させてしまいます。実際に接種日数が多くなると精液料、正常形態率が低くなるという報告もされています。女性に対しては必ずしも一定の見解はありませんが、過料になれば良いとはいえません。

 

栄養バランスの摂れた食生活

 

栄養バランスの良い食生活を心がけることで、健康な身体を維持することもできます。
食生活の乱れは肥満や身体の栄養不足、免疫力の低下を招く恐れがあります。
直接的に妊娠につながらなくても、心身の状態が良いにこしたことはありません。

 

身体を冷やさない

 

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冷えは血流の悪さもともない、身体のさまざまな不調の原因となりますし、妊娠にも大きな影響を及ぼします。
「冷える」という言葉から冬をイメージするかもしれませんが、夏も冷房や冷たい飲み物などで身体を冷やしやすい傾向にあります。

もし、身体の冷えを自覚しているなら、今からでも温活を意識して改善していきましょう。

 

ストレスをためない

 

ストレスは妊活にも良くありません。

 

ストレスの緩和に睡眠は重要な役割を果たします。
なぜなら、睡眠には「身体を休ませる」という役割のほかに、「脳を休ませる」という役割もしてくれるからです。

睡眠中は細胞を回復させてくれるだけでなく、自律神経に休息を与えてリラックスさせてくれるので、ストレスが緩和されます。

 

2人目不妊の治療とは?

 

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検査

 

まずは不妊の原因を見つけるために検査を行います。
女性は、基礎体温チェック、血液検査、性感染症の検査や経膣超音波検査などを行います。
一方、男性は精液検査や感染症検査を行います。

 

タイミング法

 

次に、予測した排卵に性交のタイミングを合わせる「タイミング法」が行われます。
排卵の予測は、基礎体温に加えて、超音波による卵胞の大きさチェックや血液検査、尿検査などのデータが活用されます。

 

排卵誘発法

 

排卵誘発法は、内服薬や注射で卵巣を刺激して排卵を起こさせる方法です。
先述のタイミング法のように排卵日を探していってタイミングを取ります。

 

人工授精

 

人工授精は、排卵日に注入器で精子を子宮内に送り込む方法です。

 

夫の精子を注入する「配偶者間人工授精(AIH)」と、夫以外の人から提供された精子を注入する「非配偶者間人工授精(AID)」の2つがありますが、一般的にまずAIHしかおこなわれておりません。

 

体外受精

 

体外受精とは、卵子を体外に取り出して、精子との間で受精させ、培養し、できた受精卵を子宮内に移植する方法です。

具体的には、排卵誘発剤を注射して多くの卵胞発育を促した後、膣から細い針を入れ卵巣から卵子を吸引し、用意した精子と一緒に培養して、受精させます。極めて精液所見の悪句、以前ならばお子さんを持つことは不可能とされてきたような場合でも、精液中に動いている精子さえいれば、顕微授精という方法で受精卵を作ることができます。活発で形態の異常が無く元気な精子を捕まえてきて、卵子に注入して授精させる方法です。
特にこれといった異常が検査で見つからなければ不妊治療は段階的に行われていきますが、年齢や不妊の原因によっては早い段階で体外受精を勧められる場合もあります。

 

妊活するなら温活

 

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昔から「冷えは万病のもと」といわれています。
もちろん妊活にとっても「冷え」はよくありません。
ここでは、冷えが妊活に及ぼす影響と温活について解説します。

 

冷えは妊活の敵

 

冷えると身体にいろいろな不調を引き起こしますが、もちろん妊活にとっても冷えは大敵です。
冷えが妊活に良くないといわれる理由には、以下の主に3つがあげられます。

 

子宮環境にも悪影響

 

冷えが著しくなると全身の末梢血管の血液の流れが悪くなります。子宮や卵巣への血流が滞りがちになってしまいます。
毛細血管の血流が悪くなり子宮内膜の中の血流が悪くなると着床や着床後の胚の発育に影響が出る可能性が有ります。着床した胚は子宮内膜に潜り込み、その中で毛細血管を壊して吹き付けてくる血液の中から栄養分を摂取して育ってきます。胚からすると子宮内膜はふかふかのベッドで無ければいけないのです、

 

血行&代謝が悪くなる

 

血行が悪いと、葉酸や鉄分、亜鉛などの妊活に良い栄養素を積極的に摂取したとしても、体内にいきわたらなくなってしまいます。

また、血行が悪いと体温も低下するので、身体の代謝も悪くなってしまい、脂肪燃焼もされにくくなるため、肥満につながりやすくなります。

太りすぎはホルモンバランスや生理の周期も乱れやすく、月経異常や月経不順になりやすいため、妊活にもよくない影響を及ぼしかねません。

 

免疫力が低くなる

 

体温が1℃下がると免疫力が30%下がるといわれています。
妊娠しやすい身体に整えておくためには、免疫力を維持することも大切です。

免疫力が低下してしまうとウイルスや風邪に対する抵抗力が弱くなるため、体調を崩して妊娠のタイミングを逃してしまうことにつながります。

 

温活の方法

 

ここからはあまり医学的な話で無く、一般的に言われているような事柄です。そのつもりでお読みください。

 

冷えから身体を守る、または冷えを改善する「温活」について、おすすめの方法をご紹介します。
「冷えている」という自覚がなくても、ぜひ取り入れてみてください。

 

代謝を上げる食べ物を積極的に摂取

 

身体の代謝を上げると身体の熱もアップします。
そのためにも代謝を上げるといわれる食べ物を積極的に摂りましょう。

また、冷たい食べ物や飲み物は内臓を冷やし、身体を冷やします。
たとえ真夏であっても、摂りすぎは低体温につながるため避けましょう。

 

<身体を温める食べ物>
生姜、根菜類、玉ねぎ、ねぎ、にんにく、らっきょう、納豆、チーズ
<身体を温める飲み物>
紅茶、ルイボスティー、三年番茶、生姜湯、甘酒

 

程よく汗が出るほどの入浴

 

身体全体を温めるのに効果的なのが「入浴」です。
つい簡単にシャワーで済ませてしまいがちですが、熱めのシャワーで身体を温めても表面が温まるだけなので、身体の芯からは温めることはできません。

38度~40度くらいのお湯に15分程度浸かり、じんわりと汗ばむほど入浴することが大切です。
数分浸かるだけでは温まらないので、15分程度を目安にしましょう。
また、足裏やふくらはぎなどをマッサージすると血流や代謝が良くなるのでおすすめです。

 

適度な運動

 

運動も身体の体温をすぐに上げることができる方法の一つです。
ジョギングやウォーキング、ストレッチやヨガなど、好みに合った運動を取り入れて、身体がポカポカと温まる程度に身体を動かすことを習慣化しましょう。

特に身体の中で大きな筋肉がある下半身をたくさん動かすことで、効率的にエネルギーを使うので代謝アップになるほか、筋力をつけることができます。

 

下半身を中心に温める

 

下半身の冷えは、子宮や卵巣の冷えに直接影響を及ぼします。
特に30代以上になると、血流が滞りやすく、デスクワークなどによって凝り固まった筋肉が、さらに冷えを悪化させてしまいます。

下半身には熱を生み出す筋肉の70%が集まっているため、集中的に下半身を温めることが重要です。
腹巻、発熱タイツなど薄手のインナーは体温調節がしやすく、アウターにもひびきにくいので上手に取り入れてみてください。

 

おすすめ温活グッズ

 

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身体を冷えから守るために、温活グッズは欠かせないアイテムです。
ここでは、おすすめの温活グッズをご紹介します。

 

腹巻

 

腹巻は、薄さ、厚さ、素材や長さや形状など、豊富な種類が販売されています。
冬に利用される方が多いイメージですが、冷房が効いている夏も愛用者が多いアイテムです。

数ある腹巻の中で、アウターにひびかない薄さでありながら、保温性に優れたアイテムという点でシルク素材の腹巻がおすすめです。
腹巻は優しい温かさでじんわりとお腹を温めてくれるので、ぜひ取り入れて欲しい温活グッズです。

 

カイロ

 

冬に使われることが多いカイロも、はずせない温活グッズの一つです。
悪寒を感じた時は肩甲骨の間に使ったり、身体全体を温めたい時は仙骨のあたりやおへその下にある丹田を温めると効果的です。

肩こりや頭痛を感じる方は肩や首、背中を温めると血行がよくなり、ラクになります。

 

布ナプキン

 

布ナプキンは体温を保ってくれるので、子宮の冷えも解消されるようです。
子宮の冷えは血液循環を悪くし、冷えにつながりますので、布ナプキンで温めることで生理痛の緩和が期待できます。

 

靴下

 

身体の末端である足先が冷えやすい人にとくにおすすめなのが靴下です。
冬だけでなく、夏場も足の冷えを感じる人は靴下で冷やさないようにしてください。

靴下を重ね履きすると温かさがアップしますし、5本指靴下や足裏用のカイロを使用するのも良い方法です。
保温性の高い特殊な繊維で作られた靴下もあるので、色々試してみると良いでしょう。

 

サプリメント

 

栄養バランスの乱れも冷え体質につながります。
栄養を補うサプリメントを利用するのも良いですし、身体を温める温活のサプリメントや、腸内環境を整えて免疫力をアップする腸活サプリメントなどもおすすめです。

 

まずは自分でできることから

 

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2人目不妊の原因と対策、治療などについて解説してきました。
早めに治療を始めることも大切ですが、食生活の改善や適度な運動、温活など、自分にできることも並行して取り入れてみたいと感じたなら、参考にしてみてください。

投稿者: いくたウィメンズクリニック

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