院長のひとりごと

2015.11.15更新

昔ラジオ放送でJet Streamと言う番組がありました。かなり有名な放送でしたから年配の方ならご存じでしょう。ミスターロンリーの音楽に始まり、城達也の歌うが如くのロマンティックなナレーションを毎晩聞いて、まるで大空に飛び立つジェット機の乗客になったかのような気分を味わったものです。食道癌で20年前に無くなられているのですが、滅多に覗かないレコードショップでJet StreamのCDを見つけ1枚買ってみ、聞いてみたところあまりの懐かしさに後のシリーズものをすべて買ってしまいました。その後何年かたって母も通販の広告で見つけ1セット買ったのですが、内容が少し異なっているのですね。城達也という人はいろいろな俳優の吹き替えもして見えたのですね。たとえばスティーブマックイーン、ロバートレッドフォードなど、更にナレーションは数限りないのですが、イメージが壊れるといけないのでと言うことで顔をテレビで見せたことがなかったのですね。そしてJet Streamの録音の際は貴重のイメージを大事にしてスーツを着てスタジオの明かりを落として録音されていたとか。こういう人を本当のプロというのでしょうねえ。感心するとともにプロ根性に尊敬の念を抱いてしまいます。私も一応医療のプロに属するのですが、そういう話を聞くと身が引き締まる思いがしてしまいます。体外受精胚移植治療を始めて30年以上が経って、このようなJet streamを聞いていたりすると、昔の事に思いを馳せ、あれやこれや思い出します。初めて患者さんの妊娠反応が出た日のこと、超音波で胎嚢を確認したこと、何とかお役に立てて喜んでいただけた方のこともよく覚えておりますが、あれやこれや考えられる方法を試みても結果が出ず、タイムリミットが来てしまいお役に立てなかった方のことがもっと心に残っています。そのことを考えると胸がきゅっと締め付けられ、酸っぱいものが喉に上がってくるような気がします。一人でも多くの方に喜んで貰えるように更に勉強を続けなければと思ってしまいます。なかなかこれという素晴らしい治療の発表がないのが悩みです。しかし、従来の不妊治療と異なる方法での生命の誕生に対する研究は著しく、おそらく5-10年のうちにパラダイムシフトのようなエポックメイキングな発表がされると思っています。現在のような治療方法が一変するのかも?それが良いかどうかは別ですが... そんなことを考えているうちに、夜空では秋の星座を蹴散らすようにオリオン座が東の空から昇ってくるようになりました。そういえば獅子座流星群の出現が18日に迫ってきております。牡牛座の流星群は生憎のお天気で見られませんでしたが、流れ星に一人でも多くの方に幸せが訪れますようにと願わざるをえません。

投稿者: いくたウィメンズクリニック


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