院長のひとりごと

2011.04.22更新

栄でも久屋駐車場の上の盛り土の土手の部分で色鮮やかな黄色いタンポポ見られるようになりました。気の早いものは、もうすっかり綿毛になっていて、風に乗らんと身構えているようです。寒い冬を迎える前にすべての葉を落とした銀杏、つい先日花びらを散らした桜など様々な木が新緑の葉で輝いています。まるで夏の準備をするかのような草木の萌え出す春が来たのだなあと感じます。このように季節はいつものごとく間違いなく移り変わっていくのですが、このたびの震災で被災された方達や原子力発電の事故で避難を余儀なくされている方達には、どう移っているのでしょうか。毎日この関連のニュースが流れていますが、毎日本当に大変など苦労を強いられて見えるのだと思います。大事に育ててきた家畜の牛などの餌も十分にやれなくて痩せ細ってしまったところに、強制退去避難命令が出て牛に餌をやりにもこれなくなって、餓死させねばならなくなってしまった飼い主が、牛の顔をなでながら「ごめんな、ごめんな」と牛に謝っている姿を見たときには涙が溢れてきました。手塩にかけたかわいい牛達を餌がなく、ひもじい思いのまま飢えて死なせるという事を考えると、飼い主の心の痛みはどれほどだろうと。
青い空を見上げると雲は高く流れていきます。この空と福島の空とは繋がっているのです。夜に見上げる星も殆ど福島で見られる星空とは代わりません。自然の営みはどこで何が起こっても、まるで何事もなかったかのように、いつも通り移り変わっていきます。まるで長い自然の営みの中ではたいしたことではないと言わんばかりに。人間が叡智を絞って作り出した原子力の平和利用の一つである発電も、自然にとってはバベルの塔でしかなかったのでしょうか。

投稿者: いくたウィメンズクリニック


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