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2009.06.03 フーナーテスト
21年前に凍結保存した精子を解凍して体外受精に用いて健常な児を出産したというニュースが4月にありましたが、これはご主人が化学療法をしなければならないために保存したという精子でした。保存した受精卵でも13年保存したもので児が出産したという報告が数年前にありましたが、21年とは気が遠くなる様な話です。精子というのは顕微鏡で見ているとまるで一匹の生物として動いていますが、実は一つの細胞が形を変えたものです。染色体の部分を堅く小さく折りたたんで頭部に詰め込んで尾部を鞭の様にしならせて移動していく様はどう見ても一匹の完成した生き物のようです。 フーナーテストで運動精子を調べていていつも思うのですが、採取された頸管粘液の帯の間を必死に泳ぎ回っている精子を見ていると、なんだかその健気さに「頑張れ!」と声をかけたくなるのです。自然な性行為の時で1/3,000-1/5,000の確率でしか子宮の頸管の中にたどり着けない厳しい生存競争です。その生存競争で頸管にやっとこさ辿り着けた精子を頸管粘液ごと採取してきて顕微鏡で検査のために観察するわけで、採取した粘液は患者さんには戻すことはできませんから、終点はまだかと必死にしっぽをくねらせて泳いでいる精子君にはもう目指すゴールはなくなってしまっている訳です。それを考えると、検査が終わった時には心が痛んで、いつも健気な精子に「ごめんね」と謝らずにはいられないのです。m(_ _)m
投稿者 いくたウィメンズクリニック (00:17) | PermaLink
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